子連れ狼〜地獄へ行くぞ!大五郎〜

監督:黒田義之
主演:若山富三郎
製作:勝プロダクション 73年

この作品と出会ったのは、かれこれもう数年前。

近くのビデオ屋を使うようになっていた俺は、この日もそこでビデオを借りようと、レジまでビデオを持っていった。

すると、白髪を後ろに束ねた店長が

「それ借りて行きな」

といって勧める。

レジの隣には「1本無料レンタル」と書かれた棚が置かれている。

どうやらシリーズ物をここで無料で貸して、興味を持ってもらうのが狙いらしい。

早速俺はこれを物色。

目に止まったそれは「子連れ狼」と書かれていた。

サブタイトル「地獄へ行くぞ!大五郎」!

 

「ブラボー!大五郎地獄行きッ!」

 

とてつもなく無骨なタイトルにも惹かれた俺は、早速これを見た。

 

剣道に秀でた役者・若山富三郎の素晴らしい殺陣!

腕や体がブッタ切られ、吹っ飛び、ポンプで血糊を吹き出させるバイオレンス描写!

そして時代劇なのに無制限に打ち出されるマシンガン!!!

・・・あわわわ・・・・・。

 

スゲエ!すげえよオッチャン!

ここには現代の日本人の忘れた何かがあるよ!

刀とか!あと、刀とか!(あとマシンガン)。

 

ブラボー!若山富三郎!

ブラボー!子連れ狼!

 

俺は、シラフでもここまで酔えることを試すが如く心酔した。

将来、子連れ狼になろうと思ったくらいである。(なれません)

 

 

さてその後、この作品に当てられた俺は、子連れ狼シリーズはもちろんのこと、

こんなスゲエ時代劇がないかとビデオ屋に通うようになり、

気がつけば、レンタル屋のオッチャンと時代劇のお勧めについて聞いていた。

 

インパクトが強いというか、無茶苦茶というか、荒唐無稽というか、

そういう「濃い」作品であるこの子連れ狼。

なんだかわからない無骨さとカッコヨサとバイオレンスな描写が最高だ。

 

この作品を何も知らずに借りた俺は、

初めてバッティングセンターに行って、いきなり140km打たされたようなもんだ。

 

いきなりこんな凄いモン貸しやがって!ありがとな、オヤジ!

 

 

 

本編ストーリー 子連れ狼「地獄へ行くぞ!大五郎」

 

オープニング

冒頭、オープニング曲にのって、渋い筆文字で役者紹介が進んでいく中、

なぜかバックで気持ちよさげに滑っていくもの一人。

 

 シャーーーーーー

よく見ると、これが主人公・拝一刀(おがみ いっとう)。

目の前のデカイ箱は、息子・大五郎の乗った乳母車。

きっとこの乳母車、雪山用に改良してある改造車に違いありません。

って言うか、これはどちらかと言えばソリです。

それをさも当たり前のように乗りこなし、

無言で颯爽と滑っていく子連れ狼。

「すげえ・・・・・」

ここで俺は食われました、この映画に。

 

ここでひとこと書いておきたいんですが、

この映画、こんな風に出て来るギミックが全て絵的にインパクトがある・・・

言うなれば漫画的です。(って、原作が漫画なんですが)

そういった意味で、変な演出とか満載なこの映画は

「バカ映画」のレッテルが張れそうなレベルなんですが、

ギリギリでそうさせない部分があり、

それがまたこの作品の魅力を高めている側面があります。

 

そのギリギリな部分、

それは若山富三郎を初めとした、役者達の迫真の演技!

改造乳母車で滑ってるときでもこんな顔!

真剣とはこの顔のためにある言葉。

いつ、どんなときも「地獄」を見つめてそこに居るかのようなこの演技!

痺れろ!彼等に痺れるんだ!

原作漫画の「仏教」的なテイストが存分に発揮されていると言ってもいいくらい、

どんな事をやってもカッコよくさせる役者のパワーがあふれてます。

これから書くことは、すべてこの顔で、

「大五郎!」ブルルルル!(頬の肉が揺れる音)

とか叫んでると考えてください。

 

ちなみに、子連れ狼は絶対に笑いません。

 

 

おおまかな子連れ狼ストーリー(この色の部分を読めば、だいたい内容が把握できます)

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徳川幕府が大名統治のために作った組織が3つ。

ひとつは、廃絶の理由を探り出す探索人。

そして、政策実施上邪魔になる要人を暗殺する刺客人。

さらには廃絶切腹を命じた大名の介錯をする介錯人の3つである。

 

探索人には黒鍬一族が

刺客人には柳生一門があたり、

そして、主人公・拝一刀(おがみ いっとう)こそは

葵御門の着用を許された公儀選任の介錯人であったのである。

 

しかし、その組織のバランスが少しづつ崩れて来ていた。

柳生一族が力を伸ばそうとし始めたのである。

柳生には表と裏、2つの顔があり、

刺客人である表柳生に対し、

黒鍬一族の掌握にまで力をつけてきた裏柳生が存在していた。

その裏柳生がついに公儀介錯人の地位を手にせんと、拝一族に手をかけた。

裏柳生は家に忍び込み、一刀の妻を始め他一族を惨殺。

ちょうど供養堂にいた一刀と、息子大五郎のみが生き残ることとなる。

しかし、その事件も実は拝一刀に謀反の疑いをかける狙いであった。

ものすごい用意周到さの裏柳生。

しかしそこは公儀介錯人と恐れられた拝一刀、

引き捕らえに来た目付け以下30人ばかりの人間をバッサバッサと切り捨て、

妻の無念を晴らすため、また御家再興のために柳生一族に復讐を誓うのであった。

==============================

 

第1作、「子貸し腕貸しつかまつる」では、以上のように話が進んで行くのだが、

この作品では、ひとつ有名なシーンがある。

子を連れて復讐への道を歩むか、

それともここでいっそのこと殺し、母の元へと送るか、

役人が家の門まで迫っている中、決断し、拝一刀が子連れ狼になるシーン。

これがインパクトあるんだよな。

 

まだ小さい大五郎に対し、一刀が鞠と刀を取り出して、

「刀を取ったら私と同じ冥府魔道に生きる刺客、

 そして鞠を取ったら母と同じ黄泉に送ってやろう、

 さあ!選べ!選ぶんだ大五郎!

 この父の言ってることがわからぬかも知れぬが、

 その選択は拝一族の血が決めてくれるであろう!」(要約)

 

って感じで、まだハイハイしだしたばっかりの大五郎に向かって、

無茶を言いまくる拝一刀。

でも、その顔は真剣そのもの、

突っ込んだら切られる!!っていうくらいの気迫です。

このシーンには正にブシドーの魂(スクェアのあのゲーム)が宿っていると断言できるね!

 

 

さて、この時、無邪気にも大五郎が刀を取ったので、

親子ともども「冥府魔道行き」は決定。

帰り道のない片道切符を手にした拝一刀は、

さっそく討ち入ってきた柳生一門の役人30人近く

子供を背負いつつ、またも全員惨殺

 

その姿はまさに鬼!

 

拝一刀のその恨みの強さと、その剣豪っぷりを見せ付けてくれるシーンでもありました。

 

 

 

以上、こういった経緯で柳生への復習を柱とし、

一殺50両での刺客商売を生業にして拝一刀は進んで行くのである。

 

しかし、シリーズを追うごとに柳生の介入(というか対立?)が深まり、

何時の間にか、柳生が主人公に刺客を仕向ける悪の軍団の様相を呈していく。

刺客の主なところは柳生一族であるのだが、そこを迎え撃つのは拝一刀。

色々なギミックを使って次々と撃破していきます。

そして、まるで特撮のノリになってきた第6作目、

ついに柳生側も送り出すための怪人刺客がいなくなり・・・・・

 

 

 

本編 「地獄へ行くぞ!大五郎」

 

遂に柳生は送り出す刺客が居なくなり、末娘の香織に頼りざるを得なくなる。

裏柳生の支配者・柳生烈堂の苦肉の策なわけだ。

烈堂爺さん。意外とカッコイイ。

しかし、いくら末娘でもそこは「裏柳生」。

拝一刀を倒すため、しっかりと美味しい技を用意していてくれました。

 

それは「お手玉の剣」。

 

お手玉のように2本の剣を投げていたかと思うと、

次の瞬間には一本しか持っていなかったりするこの技!

 

あれ?もう片方の刀は?

とか思ってると、それが自分の頭の上に来ていて

 

ざっくり。

となってしまうスンゲエ技だ!

 

ちなみに、この画像は柳生の特訓場(?)で適当な相手と特訓してる様子。

後ろで爺さんの柳生烈堂が

「ムウ、まだ遅い!」

とか発破かけてんだけど、練習に命張ってる側から見てると、なんだか浮ばれない。

 

あ、もしかすると、俺の文章が無茶苦茶なせいで、

サッパリわからんかもしれんので、動画をここに置いておくです。

やっぱ映像で見るのが一番わかりやすいと思う。

>お手玉の剣<

 低画質(asf/win用)

 ちょい高画質(mpeg1/win&mac用)

 

この動画でバックに被ってる声は、烈堂爺さんの声。

 

「落下して来るお手玉の剣をかわそうとすれば、いま一つの剣にその虚を付かれ、

 いま一つの剣をかわそうとすれば、お手玉の剣に!」

 

要するに、格ゲーで言うところの中断下段同時攻撃とかになるのだろうか・・・・

 

おや・・・・・?

でもコレって何処かで見たような技だなあ・・・・

む〜〜〜ん

 

・・・・・思考中

・・・・・・・・・・・・・・思考中

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思考中

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思考中

 

はっ!!

 

これか!

 

秘術!金しばり剣!

 

これだよ兄さん!

闘将ラーメンマンだ!

 

お手玉の剣だよ!

ああ、ゆでたまごバンザイ!

 

てか、そのまんまじゃん、ゆでたまごぉ〜(←馴れ馴れしい

 

 ラーメンマン、あっさり破ってるし・・・(´Д`;)

 

さて、そんな(一部)有名な技を、幾人かの犠牲者を出しつつ身に着けた柳生香織。

はたしてラーメンマン拝一刀をこの技で屠り、兄弟達の無念を晴らすことができるのか!

ついに決戦の時がくる!

 

 

 

襲い来る刺客!拝一刀VS柳生香織

しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん。

カッコよく旅を続ける拝親子。

 

立ち寄ったのは妻の眠っている寺院。

念仏が聞こえる中、これから柳生を切ることを誓う拝一刀。

柳生に襲われた夜を思い返す彼の気持ちに揺るぎはない。

 

線香を立て、手を合わせたその時、

拝一刀は乳母車に手を掛ける!

 

 バリバリババババババババッ!

 

いきなりマシンガンを乱射する拝一刀!

乳母車の前が開き、マシンガンが出る仕組みになっているのだ!!

 

てか、墓の前で手を合わせてる人間が、

次の瞬間にはマシンガン(乳母車)ぶっ放してるってのはどういうことだ!

そう驚く視聴者を余所に、

いまだ連射を持続させる拝一刀!

 

狙うは寺院の土塗りの壁!

次々と穴があいて行くのですが・・・・・・すると、

 

 

ああ!壁の中から刺客が!

次々と「ガラガラー」と音を立てながら血を吐いては倒れて行きます。

 

まさに「壁に耳あり障子に目あり」!(使い方違う)

 

だがしかし、

 

なんでこんな身動き出来ない所に入っているのか?

彼等は拝一刀を壁の中から襲うつもりだったのか?

はたして、壁をぶち破って襲うというのは、そもそも暗殺に向いているのか?

中に塗り込められていた人達は、いつの間に塗り込められていたのか?

ネプチューンキング並に、待ちに待っていたのか?

 

などと、色んな疑問が沸々と湧きまくるわけですが、

ここは一つ、拝一刀カッコイイね、ってことでお茶を濁しておきましょう。

裏柳生、恐るべし!

 

 

柳生の手が迫って来ていることを感じつつ、歩を進める拝一刀。

道中、旅の女性が大五郎とお手玉で戯れているのだが、

その女性こそ、かの柳生香織であった。

 

 

「鉄斎流お手玉・・・・・お手前は…?」

 

「柳生香織じゃ!

 3人の兄を打たれ、わが柳生一族最後の一人なり。

 そちら親子の命もらいうける!拝一刀!!」

 

文語体のこの会話、痺れるねえ。

そんな感じで始まる決闘。

バックには夕日。

 

対峙した一刀は、夕日を目の前にうける。

まぶしくって意外と不利な拝一刀であるが、

そこは主人公、ある奇策で形勢逆転です。

 

 

その奇策とは!

 

 

 

 

 

 

 ピッカー

 

肩車&鏡攻撃。

コレで目の前の夕日を利用して、

相手の目を晦ますことが可能!

やったぜ、子連れ狼!

 

 

 

で、そんなこんなで

肩車してあんな格好になってる拝一刀と、

お手玉してる香織が決闘しているこの場面・・・・・・・

シュールというにはあまりにシュールな画像の仕上がり具合である。

 

 

 

しかしこの肩車、実はお手玉の剣を見破っての技!

即ち上空からの刀は大五郎に刺さるので、

拝一刀は大安心で闘うことができるのだ!

 

 

 

それを察した香織は、戦法を変えて挑んでくるのだが、

そんな生兵法は効かずに返り撃ち!ズバァッ!

 

倒れた香織は最後に問う。

「何で大五郎を盾に使うのさ、卑怯者!」

「親子ともども冥府魔道に生きているので全然OK!」

 

という感じ(意訳)で会話を交わす2人。

冥府魔道はとりあえず言い訳としては最高の言葉かもしれんな。

 

 

 

「カツヲー!またオヤツ盗み食いしたわね!」

「冥府魔道だよねえさん!」

 

 

 

 

・・・・・・しかし、「卑怯」とまで言われる拝一刀。

実際このシリーズを見ていると、

その手段を選ばない姿勢にはもの凄いものがある。

先ほどの鏡でピカピカやる技、

実は裏柳生の長男がこの技に破れているんだけど、

これは第1作「子貸し腕貸しつかまつる」でのラストで見られる。

 

草むらでの決闘、夕日が沈む中、

「拝一刀は子を、蔵人(柳生の長男)は太陽を背負う・・・互いの力量が同じとすれば、この勝負、決まったわ!」

 

と、列堂が嬉しそうに言う程、地の利においても拝一刀が不利!

しかし、互いが走り寄り、刀が交錯する瞬間・・・・

 

 

 

 

 ピッカー

始めて食らった蔵人は、刀のサビになる運命。

実際、次期党首候補がこんなので死んじゃったら、列堂じゃ無くっても追っ手を出すかもな。

 

でも、俺が拝親子の「冥府魔道っぷり」を感じたのは、何作目だったかはちょっと憶えていないが

凄腕の銃使いとの対決シーン。

 

 

銃に対して刀は明らかに不利!

そこで一刀が考えたのは、まず大五郎を川で溺れさせること。

敵は、大五郎が溺れてるものと思い、助けに川に入るが、

 

 

その隙に後ろからズバァ!!

 

ゲー!

 

「冥府魔道」・・・・・恐るべし!

 

 

 

 

 

土蜘蛛一族の脅威!

 

柳生のもとへ走る早馬!

「なに・・・香織が!!?」

 

香織惜敗の報を聞くや、自ら馬に乗り山奥へと入って行く烈堂。

そこは「土蜘蛛一族」と呼ばれる者が潜む地。

異形の術を使うものとして虐げられた一族。それが土蜘蛛である。

 

「兵衛!出てこい兵衛ー!」

ここ、土蜘蛛一族の長に納まっている「土蜘蛛兵衛」。

実はこの柳生烈堂の実の長男でもある・・・・・・

が、妾腹(めかけばら)が故に山中に捨てられ、

幸か不幸か、土蜘蛛一族として生き延びていたのだ。

皮肉な事に、烈堂はかつて捨てた子を頼らざるを得なくなっていた・・・・・・

 

だが、今ごろのこのこと出て気て「兄弟達の仇を撃て」と言われても、

兵衛としては納得のいかないものがある。

 

「我は土蜘蛛兵衛!断じて柳生にあらず!」

 

と、酒を飲んだ俺にはもう泣くしかないくらいカッコヨク啖呵を切って、絶縁を強調。

いままで拝一刀に成す術もなかった柳生に代わり、

土蜘蛛一族が名乗りをあげると野望を述べる兵衛。

 

兎にも角にも、拝一刀を追う者が、一人また増えたのである。

 

 

 

時代劇を超えたその力、土蜘蛛!

 

真夜中に香を炊き、仰々しい呪文を唱えながら樽の封印を解く土蜘蛛兵衛。

「出でよつわもの!」

 

兵衛が叫ぶと、目の前に出された3つの樽が割れ、中から3人の男が飛び出した。

無常・無我・無門。

42日間も、土ごと樽の中に突っ込まれて、不死・不生の者として甦った(?)3人。

もうほとんどゾンビである。

そして得意技は土の中を進むモグラの術!(俺命名)

長の命令に従い、拝一刀を追うことになります。

 

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

あれ・・・これって特撮だっけ!?

とか思わず確認したくなってきますが、

この作品の監督・黒田義之さんって、大魔人とかも作ってる人なんだよね・・・

 

 

 

さて、そんな人間離れし始めたヤツらに狙われた拝一刀。

いつも通りに渋い表情で街道を行きます。

しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん。

 

街道では、飴をくれるチンドン屋さんあり、オモチャをくれる女性あり。

もうすぐ来るであろう春と共に、暖かい人の心が心地よく描かれます。

 

優しい春の日、

心地よいそよ風、

揺れる草むら、

そして遠くから飛んでくるミサイル・・・・・・

 

 

って、ミサイル!!?

 

 ドカーン!

 

ゲゲェー!!

は…ハジケてる!時代劇がハジケてるよ!(文字通りに)

 

 

「さっき玩具くれた女性のところに、

 こうヒューンと(指で弧を描く)煙で線ができたと思ったら、

 いきなり女性が爆発したんだ!」

(東海道を旅していたキタさん・談)

 

ってコメントが述べられるくらい、唐突に女性が爆死!

一体これは何だ!?何なんだ!?

 

そんな風に混乱していると、

今度はさっき飴をくれたチンドン屋さんが川から流れてきました。

ええ、もちろんピクリとも動きません。

 

 

と、そこで何処からともなく声が聞こえてきます。

「うぬら親子の行くところ、なんの関わりも無いものが死ぬ!

 これぞ、土蜘蛛・五捨の術!!」

 

 

つまり、他人に関わったらその人間を殺すということ!

その日、拝一刀が一夜の宿を借りた家では、

その一家を全員天上に吊るし上げるという荒技まで披露。

ゲー!さすがは土蜘蛛!やりすぎだ!

 

 

 

でも、ヤツラは一体何がやりたいんだ?

 

 

と、疑問に思っていると、拝一刀親子は他人との関わりを断ち始めます。

「冥府魔道」なんだから、

「他人が死のうが何が起きようが、復讐を果すためなら関係無い!」

とか、拝一刀なら言いそうな気がするが、そこはブシドー。

関係無い命まで取らないようです。

ってことで、一刀親子は食も宿も、貧しいもので過さざるを得なくなり、

一歩一歩追い詰められて行きます。

 

そして土蜘蛛との最終戦、拝一刀はとうとう土蜘蛛の罠にかかる。

土に潜っていた土蜘蛛に足を取られ、半身土の中に埋め込まれてしまいます。

それはまるで、「うっかり落とし穴にはまっちゃったお侍さん」

みたいですが、絶体絶命なのは変わりません。

 

身動き取れなくなった拝一刀に近づき、土蜘蛛兵衛は高笑い。

「柳生に代わり、我らが天下に名をなす!」

とか言うんだけど、必死の拝一刀はこんなことを言い始める。

 

「こんな怪しげな術を使って、俺を倒そうとは、武士じゃねえ!

 まず戦う時は名をなのってから勝負だろ!

 武士として戦うか、無頼の徒としてワシを倒すか、選べ兵衛!」(要約)

 

と、「今まで自分がやってきたことを振りかえって見ろ」

とか言われかねんことを口走る。

てか、必死すぎ。

 

で、兵衛はというと、

「貴様が自らを武士と言い、我にも武士を望むならば…

 いいだろう、尋常なる勝負、受けて立とう!」

 

ああ・・・・・うけちゃった。

 

尋常なる勝負でみごと撃破された土蜘蛛。

党首が抜けた、いわば顔の無い一族になってしまいました。

 

 

 

 

雪山決戦

一難去って、雪山にこもる一刀。

外は吹雪、かまくらを作ってそれを凌ぐ彼等に、

またも土蜘蛛の手が伸びてきます。

 

長である兵衛を失った土蜘蛛ゾンビは、

健気にも彼の意思を継ぎ、拝一刀を追っていたのである。

 

さっそく彼等はいつもの「モグラの術(俺命名)」で雪に潜り、

吹雪の舞う中、そろりそろりと拝一刀の元まで近づいていきます・・・・・・・・・

 

そろり・・・・・・

そろり・・・・・・

そろり・・・・・・

そろり・・・・・・

 

がばあ!

 

いきなり顔を上げる土蜘蛛3人集。

だめだ・・・凍える・・・・・・

 

なら雪に潜るな!!

 

 

 

寒くって潜ってなんか居られないので、白い布なんかを上に被り、

カモフラージュしながら近づくが、

 

バレバレだよ旦那・・・・・・・」

 

とばかりに蜂の巣。

バリバリバリバリバリ!

 

無言で撃たれ続ける土蜘蛛3人集!

白銀の世界がみるみるうちにREDに染まっていきます。

 

が、しかしそこは南斗最後の将(違う)、

最後の力を振り絞り、3人でジェットストリームアタック!(これはホント)

 

 

「俺を踏み台にしやがった!」

 

 

ってのは無いが、

このジェットストリームは1人目を盾にして、残りのどちらかが止めを刺すという荒技!

見事拝一刀に近づいた3人集だったが、ここに来て改造乳母車が威力を発揮!

 

乳母車から刃物が!

まさに飛び出し乳母車!(なんか意味が違う)

 

で、前方左右から刃物が飛びだし、

3人とも串刺しという凄惨な図が雪山のてっぺんに。

いいのか!?コレでいいのか子連れ狼!!

 

 

 

 

 

最終決戦

朝、雪山を滑り降りようとする一刀。

だが、その行く手には黒鍬一族を率いた裏柳生数百名が待ち構えていた!!

 どーん!

 

 

「拝一刀!貴様のせいで柳生一門も、残るは我が一人!

ここで最後の雌雄を決っせん!」

 

「孤独の苦しみに狂うが良い!」

 

 

お互いに言いたいこと言った時点で決戦開始!

 

雪山から次々と滑り降りてくる坊主とか忍者とか!

そしてなぜか、彼等が足に履いてるのは紛れもなくスキー!!

すいすいー。

 

滑り来る坊主!

近くまで来ると、今までストックだと思ってたら、実はこれが槍に!

ブンブンと投げられる槍ストック!

 

拝一刀に当たったのか当たってないのかよくワカンナイけど、

とりあえず投げて無いもう一方は刀に!

拝一刀の首を直接狙ってきます。

うりゃー。

 

 

しかし拝一刀も、乳母車に乗ったまま黙っているわけではない、

上から滑ってくる坊主を、

まるでインベーダーゲームの如く撃ちまくる!!

ズダダダダダダ!

 

 

 

これは時代劇です!

時代劇なんだってば!

 

 

 

で、打ち漏らしたものを槍や刀で片付けたり、

HIT&アウェイで逃げながら戦ってたりする一刀。

 

 

そうこうしてるうちに、、

 

なぜかこんなことになってます。

 

ソリの上に拝一刀が立ち、

両手を坊主が縛って一緒に滑降!

 

って、何故こんなことに!?

 

しかし、両腕をふさがれてもそこは子連れ狼!

腕力で2人をブッ倒し、止めにマウントで・・・・・・

うりゃー!

 

 

キラーマシーン・拝一刀の完成だ!!

 

 

 

 

しかし、柳生の方もやられてばかりでは居られない、

乳母車はおまえのだけじゃないんだぜ!

とばかりに、裏柳生バージョンを出してきます。

じゃーん。

 

爺さん専用マシーン!

 =とくちょう=

 ・ゆきやまをすいすいすべるぞ!

 ・ふたりまで のれるんだ!

 ・ればーをひくと、2つのほうだいから、ものすごい爆弾(ばくだん)がとびだす すぐれものだ!

 

 

 

 

ドカーン!

バスーン!

 

と、江戸時代の雪山とは思えない爆撃にビックリした拝一刀は、

すぐさま乳母車に乗って一時避難!

 

その爆撃は、まさに仮面ライダー!(もしくはキカイダー)

 

爆撃を背負って逃げまくりだ!

 

 

しかし、拝一刀は乳母車(ほぼソリ)を思わずホッポリ出してしまい、

人の居なくなった乳母車は、大五郎ごとそこらの茂みに激突!

大五郎は一体!?

とか思ってるうちに、忍者軍団に取り囲まれ、

最後の雪上での戦いに突入。

 

忍者版ジェットストリーム・アタックや一刀の二刀流など見せ場を作りつつ、

結局またあっという間に死体の山を作り上げるキラーマシーン・一刀。

 

最後、背後の敵を振り向きもせずに切って捨てるその姿は、

無敵という言葉はここから出来たと思えるくらいである。

 

そんな拝一刀に、一人と成ってしまった柳生烈堂。

「いかに子連れ狼と言えど、必ず討ち取る!」

そう言い残し、今回は去って行きます。

 

 

 

千載一遇のチャンスを逃し、佇む拝一刀。

とぼとぼと歩いていると、

 

「ちゃーん!」

 

居なくなってしまったと思っていた大五郎が後ろから声をかける。

大五郎を抱き上げ、乳母車で去って行く子連れ狼であった・・・・・・・・。

 

=完=

 

 

 

あとがき

いつも通りやってたら、また長くなっちまいました。

これも一重に、子連れ狼に対するアッツイ思いと受け取って下さいな。

 

このシリーズを俯瞰して説明しようと思ったけど、これがなかなか大変で、

結局「地獄へ行くぞ!〜」へのツッコミという形になりました。

やっぱり、この話が一番盛り上がるというか、チャンバラものとして面白いと思います。

 

このシリーズで度肝を抜かれるのは、やはりあの乳母車。

マシンガンなどで凄いことになったのは、三作目当たりだと思います。

ラストで、100人近くが山から駆け下りて来るのをマシンガンで撃ち、

手榴弾で爆破する荒唐無稽な時代劇がそこで完成されてます。

 

しかしこの映画版、調べて見るとビデオになっただけと言う話がチラホラあり、

あまりレンタル屋には置いてないかも・・・・とりあえず、見かけたらGETです。

DVDは、何故か輸入DVDで、最近また英語字幕版が売り出されていたりするので、

興味がある方はそれでも良いかも(リージョンコードに気をつけて・・・)

 

で、これを受けてTV版も出来ているのですが、こちらは主役が萬屋錦之介。

まだ見たことがないのですが、見てみたいところです(でも長い…)。

 

で、今一番見てみたいのが映画の原作となった漫画「子連れ狼」。

ああ!子連れ狼サーガに浸りてえ!!

 


>>モドル