日本人なら、こう思ったことのない人はいないはずだ。
『今日はカレーにしよう』
思ったことない人は、インドにGO!
と、そんなことは置いといて、カレー話である。私の場合、その禁断症状および連続的なカレー発作が極端に急に襲ってくるため、
その場でカレーを摂取しないと危険なのである。
暑くなってきた会社訪問なある日、最寄駅まで帰ってきたとたんにカレーが食べたくなった。
そんな時はインドカレーに限る。
しかし、私の住んでる地域では、カレー屋は数えるくらいしかない。
そして、インドカレー屋などはほとんど無いに等しい。
コレには、私はいつも困っている。いっそのこと、コンビニみたいに気軽に近くにないものか(無理)。
この際、せっかく地元に居るので、数年前に行った店を思い出して探して見ることにする。
以前、その店はバス通りに面していて、どう考えても飲食店をやって行くには目立たなすぎる場所に在った。
友人Fとそこらをうろついていて、たまたま入ることが無かったら、全く気がつかなかったろう。
マレーシアカレーと銘打ったそのカレー屋は、なによりフルーティーなカレーを出すお店で、
『カレーなのに甘い』というカルチャーギャップみたいなものが味わえる店として記憶に残っている。
残念ながら、私の口には合わない味だったのだが、そこで他のカレーも味わってみたくなり、再度の訪問というわけである。
『このあたりに在ったはずなんだけど』
そう思いながら、周りをうろうろするが、どうしたわけか見つからない。
嫌な予想が的中したのだろうか。残念ながら、そのカレー屋は見つからなかった。
実際、よく思い出して見ると、その店は玄関を少し改造したような作りで、見た目もカレー屋っぽくなかった。
店の人がマレーシアやタイなどによく行くらしく、そこで買ってきたみやげ物、焼き物みたいなものが飾られている店で、
しかもそれらが実は売り物、なんていう変わった店だった。
テーブルの上に載っている灰皿でさえ売り物と言う徹底ぶりだ。
今はまたあちらに店長が出かけているのだ、という事にして、この店の探索はうちきりにした。
打ち切りにしたものの、私の胃袋はカレーを欲している。
しょうがないので、ここから反対側の、駅近くのカレー屋に行ってみることにする。
その店は、2年ほど前まではカレーの食べ放題をやっていた店で、私としてはありがたかった。
だが、ちょっと寂れた感じで、少し近寄りがたく、あまり通った覚えはない。
ところが、その後どういうわけか雑誌が取り上げるまでの店になり、とたんに食べ放題も討ち切り。
当然、ディナーセットは少々値が張るモノになり、足を向けなくなっていた店だ。
しかし今日は違う。緊急事態である。
ランチは確か、そこそこの値段だったので、せっかくだから数年ぶりに行ってみることにした。
食べ放題をやっていた時期とどう変わったか、ちょっと気にもなっていたし。
実際、話題になるだけのことはあった。美味しいカレーを久々に堪能した。
特にチキンカレーとナンは味が良く、お勧めだ。今度地元のヤツラを連れて行こうと思うくらい。
でも、一番変わったのは、内装と店の雰囲気だろう。
色々なインド風の飾りや、BGMが流れていて良い雰囲気になってるし、
インドの民族衣装を着て写真を撮ってくれるという、女性へのサービスもある。
こういうことは、以前までのこの店ではなかったと思う。
店を切り盛りしているのは、チャナさんという女性のようで、この人が居なかったらこうは成っていなかったのではないか。
実際、オーダーを取りに来たインド人は、席の用意もメニューを出す時も何も言わない、という徹底振りで、
ちょっと心配になるくらいだった。
そんなことを考えつつ、お腹いっぱいになるまでカレーを堪能。
最後にチャーイも頼めていい心持である。
小説を読み、紅茶を飲みながら少しの間そこでまったりする。
たまにはこういうのも良いだろう。
次は誰かを無理やりにでも連れてこようと思う。