4月末、有明はビッグサイトで ブックフェアーなる催しをやるという情報を入手した。 ブックフェア〜?なにそれ?
と、子供がとりあえず興味を示した風の反応を見せてみる。
ちなみにその態度とは、 プレゼントをもらってもあまり喜ばずに、 自分の部屋でコッソリ楽しんだりする傾向のことである。 俺みたいなダメ大人には、その傾向が強いから注意が必要だぜ!
そんなわけで、俺はこっそりとブックフェアのことを検索。 すぐにサイトは見つかった。 その内容はというと、
・ アジア最大の本の見本市! ・ 書店はその場で仕入れも可能! ・ 出展者・来場者数もうなぎ上りで過去最高!
と、景気のいいこと、この上なし。
さらに紹介を読み進めると、
・ あらゆるジャンルの本が割引価格で購入可能!
なんですと!? そんなに太っ腹でイイの!?
この文からムリヤリ推測するに、 出版業界の景気は、きっとバブル並みだと受け取っていいでしょう! 昨今の出版不況なんてのは、 マスコミが煽った似非情報に違いありません! 出版もマスコミだってことは、この際気にしないぜ! 本は永遠に不滅だ!
イエーイ!BOOK OFF!!(不吉)
と、適当に気分を盛り上げた俺は、さっそく友人に電話。
旅は道連れ世は情け。 オマエのものは俺のもの、 無理が通れば道理は引っ込む…
「おーい、ちょっとブックフェアーなるものにいかねえか?」
「すまん、用事があるんだ」
「仕事がな〜」
「アンキモ!アンキモ!アンキモ!」
ぐはぁ!!誰もコネエ!
ってか、最後のはなんだ!!
まあ、前日深夜に連絡してる俺も俺だが…
しょうがない! 今回は単独行動だ!
レッツ・ランボー! ヘリを竹ヤリで落とす勢いで、イザ出発!
=はるばる来たよブックフェア=
有明はビッグサイト、知ってる人は知ってると思うが、 この建物、ちょっと変な形なんだよな。 四角い柱に、逆三角形のピラミッド型のブツが着いていて、 妙な感じを受ける。
その形は、思わず誰もが 「こ…この形は…!? 早くキバヤシを読んで来い!」 と呟いてしまうほど「ムー」な感じなのだ。
「きっと、年2回行われるフェスティバル(謝肉祭)で 高まった負のエネルギーを 宇宙に飛ばすための装置に違いない!!」
「そうか! この建物は巨大なビーム兵器だったのか!」
なんて話が聞こえてきそうである・・・ っというか、してたのは俺らです、スイマセン。
それもワンフェスの時に。
※※※※※ ちなみにワンフェスとは、 「人の妄想をいかに3Dに起こすか」 という求道者の発表の場であり、
例えるなら
「一本の木材の中から ”仏を掘り当てる”仏師のようなもの」
と、捉えてもらって差し支えない。
…ゴメン、差し支えた… 一言で表すなら、「立体のコミケ」。
以上。 ※※※※※※※
と、そんな過去の(クズ)記憶を辿っていたら、もう現地へと到着。
意外と、家からは近いのである。 でも、ゆりかもめが高いんだよな。
なんとかならんのかね? あの料金。
=戦闘開始!=
中は結構な人でごった返していた。 でも、出版の展示が多くって、やっぱなんか楽しい。
まず目指すのは、児童書フェアーの一角。
児童書を主に販売するブースと、 その周りに出版社のブースが並んでいる。 さっそく、販売コーナーへと足を運ぶ。
児童書コーナーだけあって、 お母様方や元気なちびっ子どもがいっぱい。
さすがに、こんな子供たちに混ざって絵本を物色するのも、 ちょっと気が引けます。
なんてことはまったくなく、 そんなのは、もう慣れっこさ!
こんなことで、ひるむ俺じゃねえ!
ってか、子供がこんな場所に来るな!(矛盾)
と、息巻いて物色してみたものの、 いまいちパッとしたものがなく、ちょっと残念だったり。
韓国、台湾、タイなんかの民話絵本は、わりと面白げだったんだが、 絵のインパクトであと一声って感じだった。 最近の日本もそうだけど なんか、かわいい「だけ」って感じの絵なんだよね。 子供チャレンジのトラさんみたいな。
こう、 グッと来るスゴみ、 インパクトに欠けるんだよ!
やっぱ、絵本は絵のインパクトだろ!
いやむしろ、 世の中の基準は インパクトの”ある”ものと ”ない”ものの2つだ!!!
昨今の、あの甘ったるい絵本が氾濫してる現状に、 異を唱えて行きたい!
インパクト ダイジネー!
インパクト サイコー!
とりあえず、 タヌキは泥舟に乗せておけ!!
と、あとから冷静に考えると、 どう転んでも負けな思考のまま、歩を進める俺。
たどり着いたのは、児童書を主に扱う出版社のブース。
そう!ここで本の目録を入手したり、 オススメの一冊を見つける算段ヨォ!
とりあえず、児童書の大手(なのか?)、フレーベル館を見ると…
ゲエー!! 丸っこい顔がいっぱいだ!
ワラワラ・・・・
うわー! ブース内がアンパンマン
いくら30周年だからって、 ジャムおじさん頑張りすぎ!!
これはきっと、ついにジャムおじさんが 宇宙破壊兵器「バイバイン」を ついに開発したに違いありません。
一つのアンパンが二つに! 二つのアンパンが4つに! 四つが八つ!
もし、そんなに大人数になっちまったら、
「えーん、お腹が空いたよ〜」
「よーし、僕の顔をお食べ食べ食べべ。」
そんな残響音と共に、 空から星の数ほどアンパンマンが沸いてくる!
そして彼らは、 バターで光るパンに、中身のない笑顔を浮かべ、 カバ夫君に、頭突きをするように食事を迫るのです!
「お食べ!」 「サアお食べ!」
延々と繰り返される 「ぼくの顔をお食べ」攻撃!
終わり無き”アンパン・フードファイトクラブ”!
きっとアンパンマンを”超”大量生産した暁には、 そんな壮絶な映像が全国のチビッ子達にプレゼントされるに違いない!
・・・なんて妄想はホントにどうでもいいんだが、 それくらいアンパンマンが増殖していて、 アンパンマンフェア−が実施中なフレーベル館。
実をいうと、俺はアンパンマンはけっこう好きで、 この本は小さい頃の愛読書だったりする。 ぜひとも今年、アンパンマンには、 大量のアンパンマン号やバイキンUFOの師団を率いて、 アトムに宣戦布告してもらいたい。 <ぶっころしたるわー!
さて、そんなハルマゲドンも期待されるアンパンマンだが、 目録を見ると、彼の研究本も出てるようだ。 内容紹介を読むと、
「アンパンマンの誕生日は? アンパンマンのあんの種類は? 作者とアンパンマン研究家がその謎に答えます」
なんと!? そんなことまでわかるのか!? これで長かった”粒あん・こしあん紛争”に 終止符が打たれるってもんだ! もう、この紛争で人の血が流されることはなくなるのか・・・
=怪奇! 曲がり角を曲がるとそこは異世界だった!=
こういう出展ブースの多い展覧会だと、様々な、そして面白い団体が結構ある。 マイナー国の出版物をこちらで翻訳して売り出そうっていう面白いものや、 逆に少数精鋭で、カッコいい小品を出しているところは、わりとウケがいい。
まず、カッコイイ小品を出している出版社はというと、 ここPetit。 色使いがわりとかわいい系なんだけど、 ビニールのカバーを使った本や、小さな冊子を使ったものなど、 芸が細かいものを出してます。 昔、何気なく買ったpetit glamがここの本だった。
んで、マイナー国の翻訳絵本はというと、そこは新世研。 ここはラフカディオハーンの絵本を出していて、けっこう検索でも引っかかる。 でも、俺が注目したのはそこではなく、 ラテンアメリカの翻訳本を出しているという点! とろけるほどの情熱の大陸、ラテンアメリカでは、 こんな絵本が出されていた!
かしこいじいさん 内容:”老人たちが強盗一味に報復するユニークな物語。” なんてイカした爺さんなんだ!ってか、報復!?
ぼくの七面鳥をかえせ!! 内容:”少年は、ペットの七面鳥を盗んだ泥棒へ報復を計画する。”
かえせ!ボクの七面鳥! ってくらい、最後のビックリマークがリベンジの意欲を伝えます!
って、ラテンアメリカ、リベンジしすぎだぜ!
まあ、俺が選んだ2作が偶然こうだったんだけど、 とにかくこんな絵本もちょっと見てみたい。 でも、どこで読めるんだ…?
さて、そんなマイナーな界隈を回っていると、 珍しいものが目に止まった。
ロードオブザリングのDVD・・・?
じゃなくって、イエス様だったYO! ハッハー! 微妙な似せっぷりがナイスだ!
ビデオ屋の新作コーナーで並んでそう。 ってか、最近の新作ビデオはこんなのがばっかりだ。 けど、ちょっとコレは危ないぜ!
「パパー、おうちでロードオブザリングが見たい。」
なんて、せがまれた全国のお父さんが、 これをコンビニで間違えて買っちゃって、
「これ、どこにも指輪が出てないよパパー! うわーん! いとしいしとー!!」
なんて悲しい涙にくれる娘っ子が、 全国で二人はいるんじゃないかって、気が気じゃネェや!
と、そんなことを思いつつ、先に進むと、
波動が… 魂が…
なんてデカデカと書かれたブース連から、 次々とMMRじみたアンケートを求められる。
「しまった! どうやらアウターゾーンに、足を踏み入れちまったようだぜ!」
頭を抱え、ガッデムのポーズをとる俺。
「ウフフフフ!ウフフウフ! そう! この一帯は、変なエキスがギュッと搾り出された 100%な果汁たっぷりゾーン!! あなたのような、くだらないファッキン野郎は、私の軍門に下るがイイ!」
小林幸子のように羽根をばたつかせ、 襲い掛かるアンケート集団!
くっそー、負けるな俺様!(妄想肥大)
「お前らなんかこうだ!」
ヌンチャクを振りまくり、(脳内で)繰り広げられる大バトル!
果汁たっぷりゾーンを一気に駆け抜け、 目指すは洋書バザールのコーナーだ! そこへ行けば、ゆっくり本が見られるぞ!
そう! このコーナーを抜ければ出口は目前!
一気にゴール!
ああ、危なかった・・・
と、ホッとした俺に 「こんにちわー、パンフレットをどうぞ〜」
と、声をかけてくる人が一人。
何気なく振り返ってみると…
こんにちわー。
うわぁ!妖精さんだ!(゚д゚;)
一瞬にして固まる俺!
緑色してるよ〜 羽がキラキラしてるよ〜 この人はピーターパンっぽい衣装なのに、 ブースの中にいるのはスーツのおじさんだよ〜…
と、思わず周りに目が行っていると、 妖精さんは微笑みかけながら、 一冊のパンフレットをくれました。
「ク口ーン人間にYES!」
ゲェーー!!! か…勝ち目がねえ!(なんの?)
相手の虚を付いての、 一撃必殺・パンフレット配布攻撃!!
「これを食らったら防ぎようがねえ! 成功率100%の荒業よ! 武富士のお姉さんも、 この流派出身ってのは有名な話だ!」
隣に居た丹下段平も、そう解説してくれました。(ウソ)
兎にも角にも、俺は一撃でノックアウト。 マイナーブースは魔界への入り口! みんな、妖精さんには気をつけるんだぞ!
=終わりに…= 洋書バザールでもいろんな輸入ブックがあったんで、ここでちょっと紹介したい。
たとえば THE KARATE! 空手の教則本。 でも、本読んだだけで大丈夫なのかは謎だ! ついでに 「SELF DEFENSE」 なんて本もあり、これはなんか自己防衛の本なのだが、 かなりアグレッシブな内容。 「どっちかって言えば過剰防衛」 ってくらい蹴りを入れてる絵とかあって愉快。 いきなりレッドカードである。
んで、格闘技系だけでなく、 アニメの本もあった。 「アニメクイズブック」のようなもので、表紙には ”for real anime fan!” とか書いてあって、本格派。 と、思いきや、中では適当なアニメ画面と 「このアニメの主役の名前は?」なんて問題が付いており、 版権をクリアしてるのかどうか、怪しさ満点だったりする。(たぶん、してない)
そんな風に、ブックフェア−はいろんな物があって、 けっこう楽しめたりする。 みなさん、次回の開催には行ってみてはどうでしょう?
そういや、今回見つけたダリの画集、買っとけば良かったな… 3キロくらいの超大画集だったけど…
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