NO.16
香港旅行その1
この我々をして、とりあえず最後の旅行になるっぽいと言うならば、
それは香港しかないだろう!
と、そんな感じで、香港旅行に決まったというわけではない。
『うーん、なんかどっか旅行行くか〜。』
『そうだなあ、香港なんてどうだい??』
『おお、なんかアジアっぽいし、怪しい物とかあるかもなあ』
『んじゃあ、いっちょそれで行くか。安いツアーも、探せばあるだろ』
『ああ、ちょうどここに、地球の歩きかたっていう冊子が、送られてきてるから、これでどう??』
『あ、それ俺の家にも送られてきた。けっこう節操なく送ってんなあ』
『まあ、安けりゃ良いでしょ。地球の歩き方って有名だから、安心なんじゃない?』
『あ、4泊5日で4万8千円ってのがあるぞ』
『じゃあ、それに決定!』
ええ、上手いこと踊らされてまさあ。俺ら。
でも、この値段はちょっと怖いくらいかもしれないけど。
成田出発の日
「明日の昼、京成上野駅に集合さ。」
そういうのは、前日には既に話が済んでる物だと思うよ。
と、前日に集合時間がやっと決まり、とりあえず京成上野駅へ。
12時、クロンボと駅で落ち合うも、それ意外は全く姿を見せず。
やっぱりガルゾである。ちょっと遅れてコロスケ。
んで、遅れるのは予想どうり軍人&センジュであった。
何故こうまで予想どうりなのだ??
さすがに誰が最後かで、賭けが成立しなかったはずだ。
『ふう・・・・・、だって今日電話来た時に、用意し始めたんだもん』
なんだか海外旅行に行く気構えが感じられないんだが、センジュよ。
てか、小さなリュック一つてのは無理だろうと思った。
外国をなめるな。
昼飯。近くの蕎麦屋に入ってみる。
『後2分で席が空くから待っててー!』
と大きな声で言って、座ってる客のひんしゅくを買うオバサンが忙しそうに動いている。
入っちまった!!!!
後悔先に立たず。
あと2分って、他の客を追い出す気か、オバちゃん。
なんだかいきなり香港に飛ばされた感じだ。
モロにバーモントカレーなうどんで、『林檎と蜂蜜がトローり』って気分になって、一路成田へ。
チェックなど済んで一息ついてみると、なぜか飛行機がJALになっていた。
旅行会社の飛行機リストに載ってなかったようだが、何故??
そんなこんなで、いきなり旅行会社のいい加減さに薄らぼんやりと気付いてみる。
初香港
『ハーイ、5メイサマはコッチデスー』
飛行機が遅れるというトラブルにあい、空港で待っていた彼の名はジョンソン。
怪しいアジア人をモロに演じてんじゃないかって思ったんだが、
どうやらそうではないらしい。
全員集めた状態で、バスへ客を詰めこむ。
そして、ホテルに付く前に、なぜかバスの中で点呼を始めるジョンソン。
ここで足りなかったらどうする気なのか謎だ。
点呼の後、間髪入れずに部屋割りの発表。
『アイヤー、間違いマチガーい、
部屋番号○×の人は田中さんで、…ってなふうにしてください。』
ってな感じで、適当に部屋を割り振る。(訳:気分しだい)
とても不安だ。
『あと、1408の部屋には金庫がありマセーン!フロントとかに預けてねー!』
コラ、待て!なんでピンポイントで俺の部屋??
ついでに、食券が足りねえ。
危うく毎日朝食抜きになるとこだったではないか。
香港でのモーニングは朝粥って決めてるのに。
ブツブツ言いながら、指定された部屋へ移動。
狭っ!!!
なんか、生活空間が見当たらないんですが、この部屋。
ドライヤーもないし歯磨きとかもないんですが。あと、蛍光灯。
部屋に光が足りません。
これでは寝る以外何もできねえ・・・・・・・。
他の部屋もそうなら、別に文句はいわないのだが、
他の部屋は2段ベットですらないってところが、大いに疑問だ。
金庫も無いしな。(シツコイ)
この不平等はハンターイ!機会均等を!!
師父!私にも機会(ジーフィー)を!
ってな感じでジョンソンの元へ抗議。
とりあえず、明日の朝には部屋を代えてくれるみたいなので、ちょっと安心してコンビニへ。
変なジュースを買い就寝。60円コーラそのままだったけど・・・・
深夜、センジュと何気なくテレビを見る。
連続ドラマっぽい。『なんか変な服装した人が多いねえ。』
と、虚ろな目を擦りながらボーっと見ていると、
何気なく変な髪形のジジイ同志が死闘を繰り広げていた。
って、これは連続ドラマのはずでは…・!!?
気合を溜めるジジイ二人!
闘気が強すぎたのか、大地は割れ、二人とも飲み込まれる!
しかし、ジジイ二人はふさがろうとする大地を両の手で押さえながら、
蹴りだけで戦い・・・・・・飛ぶ!!
って、こんなのが深夜枠でやってるとは…・・恐るべし香港!!
こんな映像を見せられたら意識はバッチリ&ハッキリだ。
こんなの毎日やってるんなら、映画のほうも、みんなとりあえずアクションやるよなー。
ちなみに、出て来るキャラクターはこんな感じ。(↓)
誰??
敵だと思ったら、見方の脇役っぽいのな。
2日目香港
朝6時にジョンソンのモーニングコールで目覚める。
前日、飛行機が運悪く遅れ、
なおかつ変なドラマ(↑)がやってたために、
3時以降に寝始めた俺にとって、早起きは地獄の3丁目。
リー師父ならジョンソンを吊るしてるところだ。眠くて。ホアチョー!
んで、眠い目をこすってるジャパニーズを連れ、
『アサガユ食いに行く』って言うジョンソン。
もうどうにでもしてくれっていう感じで、バスに乗り込みます。
ハスに揺られ良い天気。ボーっとしつつ、
『このバスは私たちを何処に連れて行ってくれるのかしら。』
乙女チックに窓の外を眺めて居ると、目の前には『海の家』。
目を擦りながら、もういちど目の前の建物を見てみます。
ええ、きっとこれは俺の作り出した幻覚です。もしくはこの家自体がスタンド。
と、しばらく葛藤を心の中で延々と繰り返してみるものの
マジで海の家ジャン。これ。
冬になって少々客が入らないから、アサガユもやってるよー。
ってオーラを思う存分発してます。外には椰子の木。
10人以上座れる丸テーブルに着くと、
『起きたてですよ〜、文句ありませんね〜。』ってな感じで寝癖のついたオッチャンが、
無造作にデカイ丸盆にお粥をわんさと詰め、
目の前でバシャバシャこぼしながら全員ぶんよそってくれた。
香港では、テーブルにこぼすのは気にしないみたいだけど、これはひどい。
これほどのものか!香港!!?
味の方はっていうと、お粥にコンビーフと塩を入れれば出来あがりなものでした。
どうやら、ジョンソンにしてやられたようです。
『ここは俺に任せて早く!』
とか言いながら、なぜか戦うことになりかねない、
そんな妄想が抱ける、朝粥in海の家。
香港観光地
変な庭に到着。名前忘れた、なんていったっけ??
とりあえず、お金持ちの人が、神社をこしらえ、
赤や青でハデハデしく仏像やらなにやらをゴテゴテと立てた感じの庭であり、
景観とかなんとか、そういうレベルで物を語っちゃあいけないくらい脈略がない。
余談だがここを見ていたりすると、
香港はある程度、お金が物を言う気質があるんじゃあないかな、って気がして来る。
ジョンソンは、ついに帰るまでバスの中で話してることは、
ガイドではなく金のことばっかりだったし。
ジャッキーの住んでる家が、ひと月いくらするとか、
この家は金持ちの家で日本円でいくらするかとか。
観光に来てる俺らとしては、そんなのはべつにどうでも・・・・・って気がしないでもない。
もっと歴史的な事とか、映画の話とか話してもらった方が面白いんだがな〜〜。
話は戻って、この庭では、変な仏像っぽいのが満載。
その中で、俺の目がいってしまったのはコレ。
個人的にちょっとナイス。
柱のトップに仏さんの首が乗ってます。
でも、なんで顔だけ柱のTOPに付けてるのか、余ったから??
こんな変なものを見てボーっとしてると、
『3コ1000エーン。』
カタコトでそんなこと言ってる、ヒゲのオヤジと、
人の近くでライターをカチカチ着けまくる怪しいオバサンが登場。
3個1000円なのは、秋葉とかでも売ってる、
ほふく前進して銃をパリパリ撃つ、軍人な人形。
この風景をイメージして描くと、こんな感じだ。
混沌??
仮にも、仏の前で、バリバリ銃を撃ちまくるのは良い事なのか??
と、ちょっと思うが、香港なので良し。(たぶん)
ヨシ、と思ったところで、この小さな軍人が気になるので
『1ッコ200エンデドーヨ。』
と、無意識にカタコトで値切ってみる。
『ダメだーめ、1ッコ400円ネー』
と、一向に拉致はあかない。
しかも、隣りでライターカチカチやってるオバサンもアブナイので、諦めて帰る。
クッソー!このヒゲめ!
と、罵ってみたところで、ちょっと香港マメ知識。
さっきから隣りでライターカチカチやってるオバサン、結構香港に同じ業種の人がいます。
つまりは、マッチ売りならぬライター売りのオバちゃん。
20mくらい先から
『ライター!オニサーン!ライター!
ヤスイヨー!ライター!』…カチカチ…
ああ!香港人ツエエ!!(T-T)
ひとしきり泣いてみた所で、
コスメチックに香港の夜をムーディーにするための貴金属屋と鞄屋&シルク屋めぐり。(意味不明)
ちなみに、学生向きの値段とプランで旅行者を集めたわりには、
それに見合わない店ばかり周っているので、
一緒に行動している皆さんも、はっきり言って、何も買いません。
宝石店では隅っこに固まって、無料のコーラを飲んでばかりです。
まあ、我々が何も買わない事は、旅行始める前から決まってたことなんですがね。
最後に、ペニンシュラっていう高級ホテルで買い物して解散。
だが、ガルゾ的にここで買い物するよりも、大通り歩いて周った方がオモシロそうなので、
入らず解散。
さらばだジョンソン!
バスのみんなを連れ、コッチを見ているジョンソンにグッバイを告げる。
これからがホントの香港ツアーである。
ネイザンロード
レートの良い感じな銀行で換金し、さっそく表通りのネイザンロードへ。
ここを行けば一応ホテルにも戻れるし、何より、旅行に来たって感じがある。
でも、聞こえてくる日本語が
『ニセモノー、ニセモーノ!』だけ。
偽物しか買わんのか、日本人。
センジュはとても欲しがってたけど。
『ロゴがちょっと違うとか、そういうのが欲しいのか〜?』
『イイヤ!ダメだ!これ本物そっくりだゼ!スゲエ!
ってのが欲しい。』
何に使うつもりだセンジュ。
嗚呼、偽モノブランド品。
(注) 偽モノブランド品は、税関で引っかかることあります。
観察!香港大通り
香港の町を歩いていて思うことは、日本と違って、とりあえず自分中心てこと。
赤信号だろうがなんだろうが、渡りたい時は何がなんでも渡る。
しかもみんな一緒。
自動車も同じ感覚なので、
いつ人がワイヤー無しで飛んでいくかヒヤヒヤである。
この国民性で、『ここは必要だろ』ってとこに信号がない。
こんな時、これが凄い。
車も人も我先だ。
まず、車が譲らねえ。
人が通れるタイミング、これは日本人には中々身に付かないのではないかって思ったよ。
一回無理して渡ろうとして、道の真ん中で立ち往生ってこともあったし。(でも車は譲らない(T-T)
ちょっとは止まれよタクシー!
なんて思ったが、道の真ん中でウロウロしてる俺は無力!
そんな訳で、慣れてない人は無茶しちゃいけません。(^-^;
あと、ビル街を歩いていると、謎の液体が上空からポタポタと降り注いで来ます。
これは、どうやらクーラーかなにかの水らしいのだが、
何処行っても水が垂れてるってのはどういうことだ。
なんか、浴びるとJOJO風味に危なそうなので、気を付けて避けて歩かねばならなかったり。
重慶大廈
ネイザンロードを南から上って行くと、
マンション郡が大きなビルになった?といったような雰囲気のビルが一件、道沿いにそびえている。
重慶大廈。
昔はスリや犯罪の多発地帯、みたいなことを言われていたが、現在行ってみると・・・・・・・
やっぱ怪しいや・・・・・・…・(^-^;
なぜか、ここの建物の中だけ人種が違います。
ターバン巻いてる人とかばっかりデス。
ここはカレーの美味しい国ですか?
香港映画のビデオCDでも買って行こうかと思ってたけど、インド映画ばっかりてのは、もはや何も言うまい。
ああ、踊るマハラジャ。
ここに入ると、『やっぱり自分はアジア人なんだな』っていうことをヒシヒシと感じる事ができます。
なんか、『ここに居る俺って場違い?』って思っちまいマス。
そんな雰囲気に飲まれ、諦めかけてた時、
入り口付近に怪しいオヤジがビデオCDを売っているのを発見。
2枚で20$、日本円にして、約300円ちょいである。迷わず購入。
香港のお笑い俳優チャウシンチーの映画と、
わけわからんアクション映画っぽいのを買って、ホクホクである。
ちょっとパッケージの紙の部分が、
洗濯機に入れてしまった生徒手帳みたいだったが、
これくらいは気にしない。
でも、家に帰って、空けた時に、
CDにカビが生えてた時には、気にすれば良かったとちょっと後悔したけどな。
道理でパックがふにゃふにゃだったはずだ。
さて、後になってそんな事になるとも知らず、道を歩いている最中ホクホクだった俺は、
ついでに他のCD屋も物色。
『何い!ブルース・リー5本セットがこの価格で!!?』
とか思いっきりグラついてみたものの、リーモノは字幕とかが出るDVDを買うまで待つことにする。
こういうのはちゃんとした物を買っとかにゃあなあ。
そう思ってる横で、軍人は『日中戦争』とか言う、
なんだかわからないドキュメントものを買っている。
オイオイ、それ持って買えっても、たぶん英語字幕すらないぞ。
10巻パックで3000円くらいしてるし。
『いや、日本じゃあ絶対に買えねえからな。』
さすがは大戦略のためにサターンを買った漢。
そして日本軍とドイツ軍だけで、ヒイヒイ言いながらやっている漢だ。
軍人はコッチに来ても軍人である。
上空からの謎の水を避けつつ、今夜の夕食はどうしようかと座談会を開催。
せっかくなので、持ってきた「るるぶ」などを見てみると、あるじゃあないですか
『澳門茶食廊』
マカオ料理が楽しめるので、現地の人に大人気!
え?観光客には…・?
っていうノリで直行。
並んでます並んでます!現地の人が!
観光客がいるのか不明。
そして、我々の番にまわり、交わされるジェスチャー。
『5!5!ファイブパーソン!』
『OK!OK!』
この反応は分かっているのだろうか…??
現地の人と相席で、いやな顔されながらも、テキトウなメニューを頼んでみる。
もちろん、ジェスチャーで。
だって、英語通じてないし、たぶん・・・・…(^-^;
目に付いたマカオコーヒーとかいうのを頼んでみると、出て来たのは
インスタントコーヒーに、
水入れてシロップ入れて氷入れたCOOLな飲物!
でも、水面にインスタントコーヒーの粒が、わんさとぶっ掛けてある
ってのはどういう了見だ。
せめて全部溶かしてから出してくれ!インスタントコーヒー!!!
でも、冷たくておいしかったり。
いっしょに頼んだ、何の内蔵だか分からない内臓料理、
カレー味の牛肉スープ、そしてふにゃふにゃな麺・・・ETC。
結構食べて、チェックを頼むと、一人500円くらいの計算。うん、安い。
コリャあ、現地の人にも大人気だ。
香港の飯屋は、結構ホクホクできるものなのかなあ。
ホテルに着き、のこり2日の予定を立てる。
次は、ウワサに聞く電脳街でしょう・・・・・・・('-'*)フフフ・・・・・・・