ディオラマ大作戦

原作:安井尚志

漫画:村上としや

出版:講談社 ¥370 S59年3月18日発行


 

ディオラマ大作戦である。

この題名を見て、「はは〜ん」って、思った人。

そう!その通りです。

この漫画ではディオラマを作ります。

 

さて、この漫画は、主人公が何らかの問題を解決して行く、

典型的な1話完結型のマンガです。

そういうマンガは色々ありますね。

医者とか、美食家とか、あと、ネコ型ロボットとか。

しかし、この主人公(もちろん、表紙のこの少年)は、なにを血迷ったか

ディオラマを使って、色々な問題を解決!!

山岡さんもびっくりです!

 

そう!!このマンガの魅力が、ここに集約されるわけなのだ!

っていうか、

ただディオラマ作るだけじゃあ、

このページが取り上げる訳がありませんね。

 

で、さっそく内容紹介に行ってしまいたいと思う。っていうか、これは紹介せねば。

 

 

第一話『傷心・・・・そして、出会いの巻』

 

 ザクの片腕を切り落とすガンダムのディオラマ。

それを見る少年が、我等が主人公桃山みのる君。あんまり主人公らしくない名前だけど、気にするな。

 

で、このディオラマを見入っていると、模型店店主ですよってオーラを放ちまくりなオヤジが声をかけてくる。

もちろん、サンバイザーをかぶってます。

『君も見るばかりじゃなく、挑戦したらどうだね。』

そう、この主人公、ディオラマやったことありません。

ここで、『あれー?やったこと無いのに。、これから大丈夫だろうか…?』

なーんて思うかもしれないが、どっかのボクシングマンガみたいにきっと大丈夫です。

 

で、こんなことをしていると、天才モデラー天堂明が登場。

もちろん、冒頭のあのディオラマの作者であり、この主人公のライバルキャラです。

2年連続の全国ディオラマコンクール優勝という経歴を持ち、アメリカの映画会社からのスカウトの話まで出る凄腕。

そんな彼なので、もちろん模型店でサインぜめ。

そのすごさは取り巻きがおさえねばならぬほど。

 

そんなこんなで主人公との格の違いを見せつけてくれる天堂君。

天才は違います。

 

そんな彼の前で、今度のコンクールに出品宣言をするもんだから、取り巻きにぼろくそに言われ、いじめられます。

初対面なんだけどね。

でも、資金1500円じゃあ、やってけません。

 

 

 

『なによ!あの人達、ずいぶんひどい事言うのね!』

怒りながらヒロインこと、堂島麻衣子が登場。

もちろん、登場直後から主人公とはラブラブモードです。

で、ラブラブモードはいいんですが、

いくら模型店の娘だからって、サンバイザーまでオヤジと同じにするこたあないだろ、とか、

『必ずコンクールに出すのよ!応援するわ!』

とか言って勝手に店の物をあげてしまうとか、

もらったプラモがザクだとかは、

あまり突っ込むと、えらい事になりそうなので、ここでは割愛。

でも、これで出品はザクしばりになったので、主人公、のっけからおおきなハンディーになったのでは・・・?

やるな!ヒロイン!

 

で、そんなこんなで、11ページ目にして、既にこの物語の主人公、ヒロイン、ライバルが勢ぞろい!

後は話を進めるだけです。

そう、ディオラマで…

 

で、大会までの間、悩んだり、取り巻きのヤツラにいじめられたり、

ザク作ってんのにヒロインの事ばっかり考えてたりするんですが、

あっという間に大会になります。

 

この大会では天堂君、スイッチを入れると、

ウイーン!ガガガガー!!ガッシャーン!!とばかりに

合体するガンダムを出品。

言っちゃあなんですが、あまりにも地味です。

さすがは天才。この裏には何か秘密があるに違いありません。

 

そんな地味な作品に対し、主人公のみのる君が出したのがこれ。

もらったザクがこんな姿です。

「どうしてこれが傷心なんだよ、」

「戦い疲れたザクじゃねえか」

とか言われたり

あっはっは、いじめられたのが、そんなにこたえたのかね・・・・。』

とか、天才・天堂から言われたりしますが、そこは主人公。

全く気にせずザクをぐるっと回転!!

 

 

そこには!!

 

 

 

これで会場は感動の嵐です。

しかも、主人公、これで特別賞もらってたり。

 

 

 

 

第2話『新たな挑戦!!の巻き』

 

 

この話では、足を怪我した少年が出てきます。

あとは皆さんのご想像通りです。

 

以上!

 

 

え!?まだ話すことがある!!?

ではいってみましょう!

 

足の悪い陽一君は、もちろん第一話のザクがお気に入り。

主人公みのる君に会ったときも、さっそくサインをもらうくらいの「みのるファン」である。

思わずテリーマンを思い出してしまいます。

 

で、そんなこんなで今回も、やっぱりディオラマコンクールに出ることになるのですが、

今回のテーマは、もちろん陽一君の足がテーマ。

ちゃーんと『治ってるのに松葉杖が放せない』っていう設定も兼ね備えてます

 

で、そんな彼を元気付けるためのディオラマを考えながら公園を歩くと、

偶然にも陽一君と遭遇。

しかもいじめられてます。

『返してよーぼくのたいせつなザクー!!』

 

ガンダムじゃない所が渋いですが、ジャングルジムに登らないと、返してくれません。

『陽一君の足は治っているんだ、だったらこれが、松葉杖をはなすチャンすかも!』

そう思って遠くから見つめる主人公ですが、

クララは立ってくれません。

 

しかも、登れないどころか

『おまえにザクはもったいねえ!』

と、名ゼリフを吐かれた挙句、ザクを放り投げられます。

哀れ、ザクはグシャグシャ。そしてみのる君が駆けつけると、彼は逃げ出してしまいます。

 

コナゴナになったザクを手に取るみのる。

『これが陽一君の心・・・・・・・

 このザクを使わせてもらうよ・・・・・陽一君・・・・・。』

 

 

それは窃盗です。

 

 

で、またたくまに大会の日になり、また天才・天堂君がどうでもいい作品を出すのを横目に、

主人公、みのる君が出したのはさっきのザク。

ザクがはってます

あてつけるかのように出された作品に、来てくれた陽一君もはらわた煮え繰り返る思いだったでしょうが、

会場のすべての電気を消し(いいのか!!?)、スポットライトを当ててレバーを回すと

そこに現れた物は!!

 

 

 

 

感動する陽一君!

そして・・・

 

 

感動のラストシーン!!

 

素晴らしいですね!ディオラマって!

 

 

第3話『春らんまんの巻き』

 

今回は、やさしい田村先生のお話。

園芸部の田村先生、いっつも花壇の手入れをしているんですが、

一度も花が咲いたことが無い。

 

で、ついたあだ名が『ノロマの田村』とか、『ツボミの田村』。

なんかこのあだ名はちょっと・・・・・(^^;)

 

ちょっと考えると、一度も花が咲いたこと無いってのは、ある意味すごい気がする。

 

でも、

花壇でサッカーやってたら、花は咲きません。

っていうか、このマンガに出てくるキャラは、みんなですか?

 

そんなひどい仕打ちを受けつつも、田村先生はこの花壇に咲く花を見ることができないうちに、

田舎へ帰ってしまう事になります。

 

そこで、みのる君の登場です。

もちろん、使うのはディオラマ。

 

都合よく文化祭が行われ、

やっぱり天才・天堂君との対決になります。

って言うか、いやがおうでも、この作者はこの展開に引っ張っていきたいみたいです。

 

で、今回の天堂君、今までとは一味違います。

一話目はガンダムが合体するだけ、2話目なんかは光ファイバーに光を通してビーム!

とかやってたので、思わず割愛しちゃいましたが、

 

今回はライバルのみのる君にスイッチを押させる力の入れよう。

スイッチをいれると・・・

5(ファイヴ)

4(フォー)

3(スリー)

2(トゥー)

1(ワン)

0(ゼロ)

ファイアー!!

 

 

 

 

飛びました。

 

 

 

 

←ザクですが。

 

今回、このザクのために天才・天堂君は

USAから固形ロケット燃料を取り寄せたと豪語!

自信満万です。

たかが文化祭にそれを使いますか、さすが天才!

 

っていうより、これじゃあ飛んでるっていうよりも打ち上げられてるのでは・・・・?

な〜んて、天才の前では禁句。

人間ロケット。

 

 

で、やっぱり今度はみのる君のディオラマ拝見となるわけですが、

これはディオラマですか!!?

 

ま、もちろん今回も二段構えなんですがね。

 

で、今回の主役、田村先生がスイッチを入れると、

花がパアアアアアア〜っと開いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中からダンバインが出てきました。

 

 

もはやここまで来ると理解不能です。

 

これを見た田村先生は、走馬灯のように過去を…・

って、死ぬ寸前ではありません。

それどころか、感動しまくってます。

いったいこれのどこに感動するポイントがあったのかはわかりませんが、

それは感性の違いとしておく事にしておきましょう。

実際、夢幻殿はダンバインが出てきただけで大騒ぎしてたし・・・。

 

でも、ダンバインの周りで光ってる、小さい虫みたいなのが、

実は天使

ってのは無しだろう、ギャラリーは沸いてるんだけどね。

 

で、もちろんこのダンバインは特別賞をもらって、田村先生は意気揚々と田舎に帰って行ってしまいます。

こんな感じでストーリーに置いてきぼりにされつつ、

この回は終わってしまうのですが、

どうだったでしょうか、

『花の中からダンバイン』

 

 

 

さて、参話まで見てきたわけですが、

花の中からダンバインが出てくることが予想できた人。

すごいです、これからもがんばってください。(なにを!!?)

もしもこのコーナーを読んで、このマンガが欲しくなった人、

100円以下で買いましょう。

実はこのマンガ、

友人が古本で50円だったのを30円になるまで待ってから買ってきてくれたもの。

熱い友情に感謝しよう・・・・・・・。

 

*ちなみに、二巻はちょっとパワー不足だったりする。

 でもすごいけど。

 


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