食神
監督:チャウ・シンチー / リー・リクチー |
せくさーん(食神)!
セクサーン(食神)!
この映画を見たあと、思わずこう叫んでしまう。
そんなパワーのある映画、爆笑できる映画、それが食神だ!
この映画に出会ったのは、かれこれ4〜5年前。
場所は、今は無き秋葉の中古ビデオ屋である。
『カンフーっぽい服に身を包み、中華鍋を手にした男のバックには炎!
・・・・そしてタイトルは食神・・・これはっ!!』
そんな感じで、何気なく目に止まったのが上のパッケージ。
買った日に、何気なく見た。
死ぬほど笑った。
その日は3回見た。
そのあとは友人に見せて回った。
ひと月で20回は見た。
その都度笑った。
俺のお気に入りの一本。それがこの食神である。
実際俺は、これを見るまでは、本気で香港映画を探すっていういうことがあまり無かった。
だが、この映画は
『香港てのは、こんなにスゲエんだぜ!』
ってことを、ガツーンと俺に知らしめてくれた。
クラクラきた。
上にも書いたが、しばらくはこれを友人に見せつづける日々が続いた。
それくらいハマった作品だ。
俺は、この映画に巡り合えたことを神に感謝したい。
俺にとってはそれくらい凄い映画であり、それくらい影響を受けた作品である。
このページに来ている人には、結構合うんじゃなかろうか。
さて、これ以上、俺の熱い思いをここでぶち撒けてもあれなので、
話変わって、主役を張る周 星馳(チャウ・シンチー)。
子供番組に出演したことがきっかけで、こういう世界に入った人物らしい。
でも、
「子ども嫌いなので、子どもを邪険に扱っていたところから人気が出た。」
という話があるから香港は不思議。
彼の作品を色々見ていると、
『ウザいからあっち行け!』
くらいのことは子供番組であろうとも言いそうな性格に見えてしまう。
いや、たぶん言う。香港だし。
その後、チョウ・ユンファが出ていて有名な、
『ゴッドギャンブラー』の外伝に出たことで売れ始め、
ゴッドギャンブラー2〜3、そして再び外伝に出演と、このシリーズで一躍トップスターに。
そしてその間にも色々な(ほんとに色々な)作品を出しつづけ、現在に至っている。
でも、その中から日本でビデオ化されているものは、ほんの一握りしかないんだよね。
色々見たいのになあ。
DVDが今後、日本で普及しまくるってのを待つしかないのかなあ・・・
また、チャウ・シンチーについて語らねばいけないのことは、
『ブルース・リーの激烈なファン』であるということ。
監督した作品には、必ずブルース・リーの要素を映画に盛り込む
っていうくらいの大ファンである。
しかも、香港のブルース・リーファン倶楽部の名誉主席だ。
もう、それだけでリスペクトするに足るファクターである。
そういや、前に紹介した『ドニーイェン』も、リーのファンだったねえ。
やっぱ、リー師父は偉大だ!!
さて、冒頭色々と話が長くなってしまったが、それでは食神の話に移りたい。
チャウの映画と、それを取り巻くお決まりの面々という、『チャウの楽しみ方』みたいなものに仕上がるかな?
= 食神 =
大まかなストーリー
香港のトップ料理人が腕を振るう、TV番組『香港料理鉄人』。
『すずめの巣と米の絶妙なハーモニー、
一見なんでもないチャーハンだが、技術レベルは高い。
・・・だが難点が一つ、チャーハンの基本は冷や飯を使うこと
・・・・・・・・ホカホカを使ったな!?
0点だ。』
おいしんぼのような感想を述べている彼こそ、
我らが食神・周さんだ(チャウ・シンチー、以下チャウ)。
食神こと周(チャウ・シンチー)
チャーハンはこんな風に解かりやすく解説するのだが、それにもう飽きたのか、
食欲が失せた、0点
顔が気にいらない。0点。
と、テキトウに0点を連発。
司会や他の料理人から
『では本当の料理とは!?』
と、問い詰められるのは当たり前。
しかし食神は慌てない。おもむろに用意した水あめを、
まるで流れるように空中で練りだし・・・・・・そして・・・・・・・
『飴で文字を・・・これは【心】!』
司会が叫ぶ。
目の前には『心』と書かれた水飴の料理!
『そう、心だ!真の料理とは心なのだ!』
と、雄山のごとく精神論で捲くし立てて番組は終了。
食神の凄さを、この鉄人対決でアピールするのだった。
でも、これはチャウ・シンチー一流のギャグで、
このTV自体がチャウの会社が企画した『ヤラセ』。
次のシーンでそれが語られるんだけど、その時のチャウの仕草や、
悪口雑言は、たぶんチャウ映画で1番と言えるほどの悪者っぷり。
カメラの前とのギャップも凄まじい。
しかも、見た目もモロ悪役だ!
悪役!サングラスとガウンが凄まじい・・・・・
途中、食神に弟子入り願いのヤツが押しかけるんだけど、
そいつにも「ここで×××しろ!!」と、
めちゃくちゃな無理難題を吹っかけます。
かなり日本人的には「引く」シーンだと思うが、これもチャウ流のギャグ。
それにしても、かなりのアクの強さである。
しかし、悪の道まっしぐらなチャウにも陰りが訪れる。
チャウのチェーン店50店舗開店記念の席で、商売仇にはめられてしまうのだ。
新メニューの調理を説明中、先ほどの押し掛け弟子が不審な行動を示す。
「この料理はただの雑多麺だ」と、まるで美味しんぼの様に騒ぎ出し、
『食神は本当に料理をできるのか!!?』
と、弟子が問い詰める。
いったい何事かと戸惑う食神を余所に、
『ハー!!』
と、突然弟子が服をケンシロウばりにふっ飛ばし、
悪の食神に変身。
じゃーん!
『できないなら、私が手本をお見せしよう!』
そう言って悪の食神は食材を並べたテーブルで身構える。
『YAー!』
男がテーブルに打撃を加えると、
なんと食材が空中に!!
その後ろでは空中の食材を切り刻む男の姿が!
なんと、彼は料理の達人だったのだ!(違う意味で)
チャウが驚いてたじろぐと、丁度ここに警察官が入ってくる。
『食神チェーンで食中毒者が出た!』
この食中毒とカメラの前のスキャンダルで、事業失敗どころか、
弟子に食神の座を奪われるなど、まっ逆さまに転落してしまったチャウ。
この後もどんどん転落し、路地裏で倒れてたりするチャウ!
彼はこのあと一体どうなってしまうのか!?
と、前半20分で、チャウのアクの強い部分が如何なく発揮させられてるわけですが、
実はここからがホントのチャウ・シンチー映画となるんです。
以降はこんな感じ。
「落ちぶれて、路地裏をウロウロするようになったチャウ。
いろいろあって、その裏通りを2分するアネゴと、もう一人の親分と知り合う中となり、
シャコとひき肉を使った新しいメニュー『爆発!小便団子』を開発する。
この一発ネタが大ヒットし、香港の奇才に選ばれた彼は、
再び悪の食神と『料理の鉄人』で戦うことになるのだった!」
だった!とか書いてるけど、新メニューの「爆発!小便団子」。
すげえネーミングセンス。
でも、これを路地裏の親分が試食するシーンでは、
あまりの美味しさに、突然親分が羽衣を着て海岸で走ります。
美味いぞー!(違う)
美味さを表現する漫画的手法を見事に取り入れてると断言できます!
そして最終対決となる『料理鉄人決定戦』。
時間ぎりぎりで登場したチャウは、見た目もガラリと変わっていた!
白い胴着に白髪!
って、これは料理するカッコうじゃないよなあ・・・・・
しかし、それもそのはず。
彼がこの対戦のために料理の腕を磨いていたのは、『少林寺』だったのだ!
『ヤー!』と言う掛け声と共に、何故か白熱するカンフー対決!
乱れ飛ぶ肉切り包丁!
もはや料理じゃねえ!
しかし、残り3分で思い出したかのように料理対決に戻り、
お互い掌から気を放出しながら急いで調理をします。(気で時間が短縮されるらしい)
悪の食神から出される「仏跳牆(ファッチューチョン)」。
そして、チャウが差し出したのは、ただの肉炒めと目玉焼きを乗せた「鎮魂丼」だった・・・・・・。
この最後の対決は、今までにないハイテンションでものスゲェ盛り上がりを見せてくれます。
チャウと悪の食神だけでなく、この盛りあがりに欠かせないのが、この人ミス・ナンシー。
プリティーだぜ!ミス・ナンシー!
二人の料理を食べた時の絶叫は、
ミスター味っ子を越えんばかりのバカっぷり。
その美味しさを伝えるために、
彼女は絶叫しながら大きな肉の上で転がります。マジです。
ちなみに、国土交通省の大臣に扇千景が就いた時に、
うちらの間では『ミス・ナンシーが大臣に!?』って話題で持ちきりだったなんてことは内緒だ!
こちらは件の人
そして、最終対決で最も外せないのが、彼等『少林寺十八鉄人』!
そう!彼等が主人公を少林寺で鍛えまくったのだ。
しかも、カンフーから料理まで何でもござれだ!
少林寺十八鉄人参上!
こんな全身金粉男どもに、何も教わりたくないなんて言うやつは出て来い!
少林寺の修行から抜け出そうものなら、
彼等が18人がかりで襲いかかってくるぞ!
ちなみに、チャウも2回ほど脱出計画を立てるんだけど、その都度彼等の襲撃がッ!
その数 1対18!
18人もいるので、余った数人は周りで踊りまくりだ!
俺は、こんな彼等が大好きだ!
大好きだ!
大好きだ!
好きだ!
きだ!
だ!
ッ!
!
(↑エコー)
70年代のカンフー映画「少林寺への道」や、「少林寺十八銅人」では、
少林寺十八銅人ってのが出てるのですが、それがこのもとネタかな。
これらを見ると、よりいっそう楽しめるんじゃあなかろうか。
でもまあ、見なくってもいいや・・・・・。
ちなみに、MAINのHIT数のもとネタはこれ。
そんな濃いキャラクターが乱れ飛ぶ映画『食神』。
ビデオ屋で見付けたら、即レンタルだ。
絶対大笑いすること間違いなし!
−キャラクター紹介−
ここでは、チャウ・シンチーの映画でよく見る人達を紹介だ。
■食神(周): 周 星馳(チャウ・シンチー)
この主人公にして、食神。
前半から、『俺は神だ!』と、
見てるものをひかせるくらいの悪口雑言で飛ばしまくる。
が、それもすぐに裏切られ、いきなりどん底に。
でも、なんだかそれも「報いかな。」と思えるくらいなので良し。
ちなみに、映画中でかけている嫌味なサングラスは、
彼が崇拝するブルース・リーが掛けていたものと同じ型のもので、現在は生産されて無いっぽい。
こんな細かいところでリーを推してるってのが、なんだか奥ゆかしい。
⇔ 同じサングラスらしい。
■アネゴ: 莫 文蔚(カレンモク)
誰がやってるのがわからんくらい、凄い特殊メイクが施されていて、こんな顔に仕上がっている。
実はこれがカレン・モク。公式サイトで素顔を見てみよう。
あっちでは女優なのか歌手なのかよくわからんけど、
香港いった時には街中でポースターが張られていた。
それくらいの人なのに、こんな顔になるっていうのは、
やはり香港映画の懐の深さの成せる技なのでしょうか。
そんな彼女が扮するのは、路地裏(ストリート)で力を2分する女親分ことアネゴ。
ちょっと切れやすいのが頂けないが、食神がピンチの時に助けたり、
肉切り包丁で暴れたりという、大変ナイスなキャラクター。
爆発小便団子の製作に際し、肉を26800回叩く荒技も披露。
路地裏でボコボコになって倒れてるチャウが、
彼女がくれた食事を美味いと言って食うシーンは結構グッと来ます。
■商売敵: 呉 孟達(ン・マンタ)
この作品では、チャウと共に嫌味な役を押し通したナイス・ガイ。
『小僧め!』『騙したな!』と悪口言いながら、
お互い満面の笑みで握手するシーンなどは、ブラックでいい感じ。
チャウ・シンチーとはかなり長い付き合いで、チャウの出演している殆どの映画に顔を出している。
脇役を徹してやっているようで、その役の幅はかなり広い。
時折見せる表情なんかはかなりの大物を感じさせるが、
実際それで「香港電影金像奨・助演男優賞」を受けるくらいの実力者。
最新映画『少林サッカー』では、その哀愁たっぷりの演技を披露してくれます。
周星馳〜今後と他作品〜
昨年2001年、チャウ・シンチーはもの凄い作品を再び世に送り出した。
『少林サッカー』である。
これは凄いぞ!
友人と夜に見て、
『やったー!チャウ・シンチー、最高!』
と、朝まで大騒ぎして、何度も見たくらい凄い。
ひとことで言えば、
『少林寺ですっごいクンフー身につけた人達が、
思いっきりサッカーやるキャプテン翼』。
人が飛ぶ飛ぶ!
英語版なんてことは全く関係ねえ!
その日、すぐさまDVD買いに行った。
これがそれ。
ぜひ日本語字幕でも見たい所。
夕張ファンタスティック映画祭で、2002年2月16日にやるらしいが・・・・・北海道は遠い!
嗚呼!羨ましいぞ北海道!
全国では、未確認だが5月頃に公開するっぽい。
ぜひ見て!これは命令だ!
香港の底力が見られるぞ!
と、いきりまくった所で、今後のチャウ・シンチーについて、少し考える。
食神と、この少林サッカー、あともう1本くらいで、
現在アメリカに乗り込んでいると言うチャウ・シンチー。
実はあっちで「食神の続編も作ってるの?」
なんて声もあるけど、『食神の題材を練り直す』とか、『実は食神2だ』とかいう話が適当に入って来るので、
こっちもテキトウに身構えていよう。
それよりもまず、今年は『少林サッカー』がやるので、それがとても楽しみだ。
チャウをもっと見たいよ!ってな方は、
その他の作品として、お勧めなのは「ゴッドギャンブラー2」と「ゴッドギャンブラー3」。
これらはわりと、おとなしめな明るい感じの作品。
「0061北京より愛をこめて!?」「008皇帝ミッション」
これも、007をパロディ−にしたものなので、お勧めかな。
どっちかというと、ゴッドギャンブラーよりもこっちの方が俺は好きかも。
もうちょっとマイナ−なのになると、「ロイヤルトランプ」のシリーズや、
『チャイニーズオデッセイ』のシリーズもありますが・・・・これらはあんまり置いてないなあ。
食神見て興味湧いたら見てみるのもいいかもね。
チャウは、ホントに沢山の映画に出ているので、全部はここでは紹介出来ないけど、
下に紹介したファンサイトなどを当たってみると、意外と情報は集まってくるくらいの有名人。
突っ込んで見たい人は、こちらのサイトなどで情報を仕入れてみてはいかがでしょう。
ファンサイト 映画の解説や、解かり難いシリーズものの相互関係などを表にまとめていたり等、 その苦労とファンの心意気が感じられるサイトです。 チャウの魅力のコーナーや洗脳日記を読んで、立派なチャウファンになってください。
チャウを題材に、こちらも映画の解説やニュース、そしてネタ系のコーナーまで作ってるサイトです。 チャウ映画の雰囲気が伝わってきます。 |