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フリーマーケットにいこう

 

幕張!

新都心などとうたいながら、そのイメージは「イベントと倉庫街」な土地、

幕張!

我々はそんな幕張から目をそむけることなどできぬのだ。

もう一度、かの名前を声高く呼びかけよう!

嗚呼、幕張!

 

 

 

ってか、幕張ってのはフリーマーケットで行った場所なんです。

自分、フリーマーケットに行くのが結構な趣味になってたりします。

つい先日の文化の日にも、明治公園までテクテク行ったりしましたさ。

 

文化の日。

朝10時。

千駄ヶ谷駅前には、「空手大会」の看板。

「でも、俺らはこれに行くんじゃないんだもんねー。」

と言いつつ、ちょっと気になりながら明治公園まで歩きです。

明治公園に着くなり、

目の前に広がるのはだだっ広い空き地と、犬を散歩するお爺さん一人。

入り口に小さく張り紙が、

 

『午後から雨の予報なので中止』

 

この根性なしがーッ!!!!

 

朝10時の悲劇。

せめて駅前に中止の張り紙出しといてくれ、東京リサイクル運動市民の会

 

さて、愚痴はこれくらいにして、幕張でもフリーマーケットって、けっこうやるんですよね。

しかも、この話は5月までさかのぼったりします。

早い時期に書いておけばよかったかなあと、ちょっと後悔。

 

 

 

幕張祭り

 

5月某日、JR線に乗って海浜幕張駅まで行く。

幕張メッセでフリーマーケットがやるのである。

電車の中で、少し暇なので今回のフリマについて少し考えてみる。

 

「もしも、『雁屋哲のサイン入り美味しんぼ』なんてものがあったらどうするか、」

 

今考えてみると、そんなものは悪名高い「まんだらけ」にでも売りに行って、買い叩かれてシュンとするのがオチであるが、

幕張は初めてだったので少々考えがオーバーになっていたのだろう。

もちろん、その結論は「真っ先にライバルを蹴倒して買いつけなければならない」

であり、

どうも周りの客が同じ方面に行くっぽいライバルキャラに見えてきたので、

とりあえず威嚇したのは言うまでもない。

 

『ガーーーーッ!!』(←威嚇)

 

フリーマーケットとは、それほどまでに弱肉強食であり、生き馬の目をぬくのであり、

入ったら二度と生きては帰れない魔の森なのである。(妄想終了)

 

 

妄想がすんだ所で、丁度よく駅に着いたので待ち合わせの場所へ。

10分ほど集合時間に遅れたのだが、集合場所には後輩のゼリーしか来ていない。

このメンバーで集まろうとすると、いつもこんな感じである。

もう4年近い付き合いになるので、大分慣れたが、

もはや彼等は時間に間に合うとか間に合わないとかの次元を通り越している。

もしかしたら、時間という概念を超越した「何か」に目覚める日が近いのかも知れない。

もしそういうのに目覚めたら、なんだか面倒なことになりそうなので、携帯の電話番号は消すことにしよう。

 

そんなことを考えていると、センジュとサワダが到着。

呼んでいたエカキヤは「なんかすごい遅れる。」と、どうしようもない状況なので

諦めて先に会場に入ってることにする。

会場入りの前にジュースなどを買って準備万端!

入り口のエレベーターを使って、車の並ぶでかい広場に行くのだった。

 

 

 

お茶を片手にゴボゴボと飲みながら会場入り。

エレベーターを降りて目の前に広がる会場入り口付近には、何やらものすごい顔ぶれがひしめいていた。

入り口近くってことで、たぶんプロか、その道に長けてる人が先に場所取りしてしまうからだろうか、

とにかく『これで生活してるんです!!』

という気迫やら何やらがギュンギュン伝わって来る。気が抜けねえ!

荒野だ!フリマは荒野なんだ!(以下略)

 

これらの顔ぶれには、

熊の木彫り人形や5月人形を売っている浮浪者風の男から、

どっから持ってきたのかわからない人形やオモチャ(部品が一部なくなってるのなんかは序の口)を

売っている若い兄ちゃんまでバラエティーに富んでいる。

熊の木彫りなんかは、普通の北海道土産である『鮭をくわえている』ポーズだけでなく、

『流れ星銀牙』にでてくるツキノワグマみたいに、

両手をバンザイして立ちあがってるポーズの熊まである。

あまりにも攻撃的なその木彫りっぷりは、

『ガシュルルルルルル!!!』とか、吹き出しを付けてしまいたくなる。

が、そこは変な業者のこと、ウン万もする値段がつけられているんじゃあ、貧乏人のおいらにゃあ買えませんわ。

 

そう言って、いそいそと先ほどの兄ちゃんが売ってるオモチャコーナーを物色して『キカイダー人形』なんかを買ってみる。

けっこうできがいいんだよね、コレ。

でも、ギターや台がついてなかったので、3〜400円までまけてもらおうと思ったが、500円になってしまった。無念。

 

 

そんなことをやっていると、何時の間にかエカキヤも来る。

しかも来て早々、ガス銃の凄いのが気になってしょうがなくなり、

全財産のほとんどを使いかねないと言う暴挙に出ようとする始末。

この銃、箱には

『ラピットファイアーシステム搭載!スコーピオン!』

と、凄げなことが書いてあったりするのだが、

『ラピットファイアーって、ブルースリーの息子が主演の、あの映画!!?』

とかいう知識しか持ち合わせていない俺にとっては、なんの解説にもなっていない。

 

エカキヤが、来て早々文無しになるのもアレなので、

ある程度回って、まだ残ってたら神の思し召しということで買いつける、ということにして、その場は事無きを得た。

ちなみに、結局彼はこれを最終的に買い、家の近くで撃ちまくるという暴挙に出るのだが、それは後述。

 

 

 

さて、そんなことをやって居ると、センジュ&サワダがいなくなっていることに気付く。

オイオイ、ここは電波が悪くって居なくなると大変なんだヨー!

と、怒っていると、

平和そうなファミリーが車で乗り付けて『フリーマーケット家族』と、ほのぼのやっているところに、

彼等が座り込んでブツを物色して入る姿が見えた。

そこでサワダの手にしたのは、Gガンダムに出て来る「マスターガンダムのキーホルダー」。

さすがサワダ、東方不敗にかける情熱は誰にも負けてないぜ!

しかし、ちょうど親がいなくなり、子供が店番を任されているこの状況。

 

「マスターだ!」と、大喜びでキーホルダーを買って行く彼を、

この少年はどう思うのだろうか・・・・?

 

などと遠くから思わず冷静に見てしまうと、とたんに自分に跳ね返ってくるのでコレは考えないようにしたい。

 

祭りは中で踊ってこその祭りなのだ!

 

 

 

祭り本番

 

黒人さんのやってる洋服コーナーに入り、

ちょっと気になる感じのロゴ入りシャツを物色。

『その生地だけでも、1着5000円はするYO-!』

と言われているにも関わらず

 

『はははは、我々をたばかろうなんてそうはいきませんよ、

 この生地がそんなにする訳がないじゃあありませんか、ねえ助さん格さん。』

『2つで3000円でどう??』

 

なんて無茶な要求して困らせてました。

後で見たら、1着定価で7千円くらいしてるものだったりして、とてもすまなく思ったり。(T-T)

 

 

と、そんなこんなで洋服も物色したいなあ〜とか考えて歩くのだが、あまり服は見つからず、

変なものばっかりが見つかってしまうのは世の常。

そんな時に、子供の置いて行ったファミコンを何気なく置いているおばちゃんを発見!

こういう所には、とても美味しいご馳走が転がっているものである。

 

案の定、奥の方に積まれた『パワーグローブ』なんていうオモシログッズが見え隠れ。

さっそく交渉。

 

こういう『自分が何を売ってるのかわからない』タイプの人には、

『こんな役にたたないものは持ってること自体が悪です』

と、いうくらいの勢いで交渉し始めるのが通のやり方だ。

が、今回は値段を誰かから頼まれてやっているのか、コレ以上は下げられないとのことである。

こういう時は、作戦変更にかぎる。

 

名づけて、『おまけ大作戦』!

これはおまけを付けてもらう作戦だ!

 

近くに居たゼリーも交え、さっそく交渉。

『先輩、コレにしましょう!コレ!』と、ゼリー。

『じゃあ、これ付けてあげるよ・・・・』

と、おばちゃんも、おまけ作戦にしぶしぶ同意。

 

気がつけば、俺の手には

『パワーグローブ』と『ダイレンジャーと書かれたお碗』が。

 

この組み合わせは何!?

 

少なくとも、このお椀は使わないぞ!!

なぜ俺の手に!?(答:買ったから)

 

両方とも『割れもの注意』とか書いて、この悲しみをごまかそう・・・そうしよう・・・・・・・。

勢いで買い物するのって・・・・怖いね。

 

 

 

 

お昼になり、重い荷物が邪魔になったので、

ロッカーの中に、荷物を思いの丈ぎゅうぎゅうと押し込む。

ついでに、この日は雨で傘も持参してきていたが、ちょっと邪魔になっていたのでロッカーに・・・・・入らねえ。

ちょうどロッカーの裏側が空いているので、せっかくだからここにでも置いておこう。

ここなら盗まれることもあるまい。

そう思って裏側に傘を置いたのだが、数時間後にそれがとてもじゃないがとれない状態になっていて、

泣く泣くロッカーの上を掛け上がり&ダッシュで取りに行った男が、

かつて居たことをここに留めておきたい。

 

 

 

さて、荷物も軽くなったので昼食を食べに行く。

これからどんな面白いものがみつかるかもしれない、それに備えて腹ごしらえである。

中東風の兄さんが肉丼を作ってくれる屋台に並んでいると、

遠くでゼリーとセンジュが『タイラーメン』の屋台前で騒いでいるのが見えた。

聞くと、『当たり前のように色々な調味料(スパイス)が並んでいたんですよ。』と、ゼリー。

 

『全部入れちゃえ』

 

センジュがそう言ったのをきっかけに、二人とも本当にそれをやり、

半泣きになっていた。

相変わらずバカである。

 

 

 

腹ごしらえも済み、我らは再び戦場へ。

 

重い荷物を背負ってゲリラっぽく戦場をうろつくと、

そこには最終兵器、『プレイディア』が投下されていた!

 

『やや!!これはあまりの高性能

 米国が輸入を一時制限したという、あのプレイディアだな!?(それはPS2です)。』

そんな古風な驚き方をしていると、

またもオバチャンが登場し、『安くしときますよー』を連呼。

 

プレイディア本体に、ソフトが3本!

ドラゴンボールに、SDガンダム図鑑に、セーラームーンクイズが付いて、

なんと800円!これは安い!

 

安いが、俺はドラゴンボール以外知らん。

 

そんな訳で買い渋っていると、

『これに詳しい』とかいう怪しげな親父が奥から登場。

このオヤジ、さっきのおばさん以上に怪しいオーラを身にまとっている。

というか、おばさんだけなら別段怪しくないので、この親父が規格外に怪しいのだ。

例えるなら、コンビニが似合わないオヤジ。

浅草なオヤジ。

居酒屋で、閉店間際までくだを巻いてる親父。

これだ!最後のコレがピッタリくる!

 

ってわけで、飲み屋の親父がプレイディアを引っ張り出して中身を見せ、

『今朝動いたから大丈夫。』とか言い放つ。

 

いや、その説明では詳しいとは言わないよ、オヤジ。

 

でも、せっかくなのでそのプレイディアを購入。

もはや荷物がものすごい量になっている。

 

 

 

この後、サワダがディスプレイ用のカッコイイミニチュア自転車に、

まるでトランペットをガラス越しに見る少年のように欲しがって購入したり、

センジュが、ダイバーと言うよりもどちらかと言えば皮をむかれたカエルのような格好をした、

水上を進む(らしい)電動ダイバーを買ったりとか、

どう見ても、バリとか東南アジアのお土産屋にしか見えない店で、

ゼリーが怪しげな呪術にしか使えなそうな木彫りの仮面を買ったりと、色々買いそろえてみる。

 

ちなみに、ゼリーが買った仮面を売っていた店では、何故か中東系の方が店番をしていたのはあえて伏せておこう。

 

 

 

 

夜、我が家へと赴き、買ってきたガラクタ夢グッズを披露。

さっそく例のパワーグローブでも出してやるか!!

とか思って用意し始めると、

入ってきたヤツらがテキトウなものを取り出して暴れる。

基本的に俺の部屋は、刀やヌンチャクやらステッキやらが適当な位置に配置してあるので、

暴れるには最適だ。

 

でも、頼むから暴れるな。

 刀を振りかざし、銃を乱射する所に、

 イギリス製ステッキで応戦!

 

センジュも、買ってきたダイバーと言うよりも、開かれたカエルみたいな格好の人形に電池を詰め、

思いっきり動かして遊んでいる。

←カエルみたいだ!

 

『これ、絶対に水に浮かぶんだよ!ホラ、電池も防水っぽくなってるし!』

センジュはこの人形に大分ご執心であったが

その防水っぽいのもアレだし、なによりこれは水に入れたら確実に沈む。

最終的に、ダイバーはみやげ物のカエルに釣られてたり。

 

そんなこんなで、適当にエカキヤが暴れて、センジュの背中を刀の切っ先で突付いて遊んでいる頃、

やっとこさ、パワーグローブの用意が完了。

 

パワーグローブの形状は、皆さんも知っての通りグローブなんだけど、

あれってセンサーをTVの方に付けてやらなきゃいけないので

なかなかめんどい。

 

着けるとこんな感じになる。

横のリー師父の肖像も、今後の展開に憂いの表情が見られる。

 

 

さて、パワーグローブをはめ、画面に映るマリオを動かす時が来た。

パワーグローブでマリオ。

これは宇宙規模の憧れであり、皆が経験する甘いひと時である。

 

スタートボタンをON!

1−1が始まり、とたんにジャンプを連打するマリオ!

当然、始めのクリボーで即死。

 

永遠のようなその甘い時間は、思い返すと一瞬のようでありました。

 

って言うか、ジャンプ連打するマリオじゃあ、クリアは不可能です。

なんとかジャンプを連発しないようにしないと!

 

あ、今、『パワーグローブでクリアなんて、できるわけないジャン』とか思った人、

できるまでやらせてあげますから。

 

さて、先ほどのジャンプ連打は、どうやらグローブの設定が「シューティング』になっていたせいで、

ショットボタンがTURTBOになってたようです。

そこで、プログラムをアクションに素早く変更。

説明書にも『マリオのような横スクロールゲームに最適』とかちゃっかり書いてあったので、たぶんバッチリです。

 

さて、バッチリになったハズのマリオですが、すぐさま、

その場に止まることがえらい難しいという、パワーグローブの重大な欠陥に直面します。

止まりたいところでは「土管にぶち当たるしかない」という、しょうもない光景は、

見るものに「赤い靴」を思い出させるよう。

 

そんなわけで、1−2クリアをみんなで目指す低レベルな目標を立て、

何故かここに来て一致団結。

 

『バカな!ここでマリオがしゃがまないとは!』

『ああ!そっち行くなバカ!』

 

と、プレイヤーが発してるとは思えない台詞を吐きつつ大盛りあがり。

 

『マリオがこんなに面白かったとは!』

と、サワダの大暴言まで出る始末。

 

 

おいおい、マリオは普通にプレイしても面白いんだぜ!!

 

美味いトマトを作った者が偉いのではなく、

美味いトマトそれ事態が偉いのだ!(by美味しんぼ)

 

 

そんなわけで、パワーグローブマリオは延々と続けられ、

メキメキと、生きていく上で最も役に立たない技術が身に付いていきます。

まあ、場のつなぎとか、余興にはもってこいの物かもしれませんな。

これについては、また後ほど特集したいねえ。

 

 

 

そうしてグローブにも飽きてきた頃、

『真打の登場だあ!』とばかりに、プレイディアの箱をあけてみる。

原作をよく知っているドラゴンボールをセットし、電源ON!

 

プレステのようなプレイディアのロゴを、ワクワクしながら眺め、

続いてドラゴンボールのOPが始まる。

 

OPのテロップが上から流れてくる。

 

 

 

  『ドラゴンボールZ』

   −サイヤ人絶滅計画−

 

 

 

  『それは、御飯がまだ小さかった頃の話である 

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブツッ!!

 

 

 

 

おや?なぜか画面が真っ青なんですが・・・・・・??

 

 

 

『も〜、嫌ァねえ。』

などと言いながら、電源をやさしく入れなおしてみますが、

プレイディアはこと切れたお爺ちゃんのごとく、

ウンともスンともいいません。

 

 

 

やられた!!

 

 

 

これだけか!俺のプレイディア体験はこれだけなのか!?

 

御飯が小さかったころ何があったんだサイヤ人!

 

 

チクショウ!!

 

安達由美のバカヤロー!

 

 

我々は吼えた!吼えに吼えた!(一部笑った)

 

 

 

嗚呼、プレイディア!

 

さらばプレイディア!

 

 

 

 

あーあ、これどう処分するよ・・・ホントに・・・・・・・・・・・(T-T)

 


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