〜必殺!〜

機種:セガサターン
製作:バンダイビジュアル
1996年 定価5800円


●ゲーム紹介

必殺小話 

ゲーム攻略


 

 のさばる悪を なんとする

 天の裁きは 待ってはおれぬ

 この世の正義も あてにはならぬ

 

 南無阿弥陀仏

 南無阿弥陀仏・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

と、良い感じなオープニングと共に始まるこのゲーム、

バンダイから発売され、サターンだけで発売された「必殺」。

プレイヤーキャラの非力さを根性でカバーし、敵の物量攻撃にヒイヒイ言いながら進んでいくと、

ラストで衝撃の事実が明らかになるという素晴らしいゲーム

今回はそんな「必殺!」の特集である。

 

 

 

必殺について

必殺シリーズは1972年から92年まで、

間を置きつつもひとつのシリーズとして長期間放映されたTV時代劇である。

シリーズの基本的なコンセプトとしては

「法では裁けない恨みや無念を金で晴らす、暗殺集団」の話。

 

初期の頃は、それこそハードボイルドで影が付きまくりだったらしいが、

後年、藤田まこと扮する中村主水がしょっちゅう出てくる「必殺 仕事人」のシリーズで安定してきた時期では、

むしろ殺しの方に重点が置かれ、さしずめ「殺しのエンターテイメント」化していたほどであった。

エンターテイメント化、というと聞こえが悪いが、

ようはどういう風に悪人を殺すか、といった面白みがあり、

それは、悪人を倒す「殺し技」や「暗殺武器」のバラエティー化をもたらした。

 

たとえば、”ぽっぺん”のガラスの先端で刺してみたり、

南京玉簾に仕込んだ針で暗殺・・・とか、

プロレス技とか和田アキ子の怪力とか・・・

そういった一風変わった殺しのシーンが、人気が出た一つの要因であろう。

 

そんな必殺シリーズをもとにしてできたのが、このセガサターン版「必殺!」である。

一応、ファミコンでもアドベンチャーRPGとして以前ゲーム化されたが、

今回のサターン版は、当時の映画『主水死す』にあやかってか(?)、

アクションゲームとして舞い戻ってきた。

しかも、大幅なパワーダウンのオマケ付きで!

・・・・なんて俺の口が裂けても言えません。

まあ、一概にアドベンチャーとアクションは比べられないものだけど。

 

てか、「原作の変な部分を拡大解釈したら、こんなゲームになりました」

って結果がコレのような気もする・・・

 

 

SSゲーム「必殺!」

 

このゲームは必殺シリーズのお馴染みのキャラを使って悪人をシメるアクションゲームである。

Aボタンが必殺技、Bが通常攻撃、Cがジャンプ、そして攻撃ボタンを押し続けると防御。

また、必殺技は一定時間で回復するメータを消費・・・

・・・という結構ありがちな操作形態で、

初めてゲームをプレイするあなたにも、きっとすんなり受け入れられるに違いない。

 

ただ、操作形態はありがちだけど、

レスポンスとかそういった点がありきたりじゃないんだよな・・・・・ボソボソ

 

 

おっと、いきなり愚痴とか言っちゃったけど、けっして詰まらないゲームじゃないんだよ!HAHAHA!

なんてったって「必殺!」だからね!

 

必殺の売りといえば・・・・・そう!殺し技!

キャラごとに技も違えば武器も違う、殺し技ももちろん違うんです。

 

このゲームで選べるキャラは4人。

まずは人気キャラの中村主水(もんど)こやつは原作同様剣術の達人で、通常技は居合い。

そして必殺技はスーパー居合い(俺命名)。攻撃範囲と威力がすごい居合いが出せます。

 

次のキャラは”三味線の勇次”。原作でも三味線の師匠で、技もその糸を使っての攻撃。

糸がまっすぐ横に伸びていくのがですが、

必殺技になると距離も威力も増して敵を貫通!

三味線の糸ってスゲエ!(たぶん違う)

 

3番目の仕事人は”飾り職人の秀”

通常は”かんざし”で敵を攻撃するので近距離戦しか出来ませんが、

必殺技では手に持ったかんざしを画面外までかっ飛ばします。

しかも、画面外の敵まで「ザシュッ!」という音と共に屠ることも可能。

忍者も画面外で一撃必殺。(っえ!?)

 

そして、最後のとりは”念仏の鉄”。

「破戒僧で骨接ぎ師」という無茶な肩書きを持っているので、

素手で敵の関節をゴリゴリ外して突き進むパワーキャラ。

もちろん、必殺技もその得意技を生かして身に着けた

 

 

 

   かめはめ波〜!!

 

 

飛び道具!?

 

って、ツッコむとこはそこじゃないや・・・・・なぜに波動拳!?

説明書には

「修行時代につちかった念力波を使い、画面上の敵を一度になぎ倒します」

とか書いてあるが、どんな修行したらそんな技能を"つちかう"ことが出来るんだ?

僧侶破門になって、佐渡島に流されて、骨接ぎ技術を身につけると出来るのだろうか。

いや、それよりもなんでコイツだけ能力者なの・・・・??

 

 

 

悪人をシメよう。

このゲームは前述の通りアクションゲームである。

ゲーム開始時に、仕事人から二人を選び、Rボタンで切り替えながら進むという、中々凝った(?)システムで、

道中に出てくる敵を右に左になぎ倒しながら(時にはなぎ倒されつつ)進むのが主なプレイとなる。

そして、その道中を抜けるとその面のボスにご対面となる。

 

第1話は、阿片運搬の口封じのため、近江屋に殺された庄治の無念を晴らすための話。

そんな悪いやつなので、もちろんお仕置きが必要なのは万国共通ハムラビ法典。

 

幸い、1面はさして難しいところもなくサクサク進むので、一気に近江屋さんの屋敷まで進入可能。

屋敷の奥ではアタフタしている近江屋さんが刃物を持って震えてるんですが、

ま、仕事人はそんなことも気にせずに「お仕置きタイム!」の時間です。

近江屋さん。腰がひけてます。

まるで、かつての「忍者ウォリアーズ」のラスボスのごとく、

何の攻撃力もない近江屋さんを一撃でほふると

 

”パララ〜、パッパッパッパッパッパ、パララ〜”

 

と、トランペットでメインテーマが流れ、

各キャラの「必殺」披露画面へと移ります。

 

飾り職人の秀で倒せば、

もちろん”かんざし”を刺しちゃあいけない部分に刺してみたり、

「イッタぁーーーーー!!」

 

 

念仏の鉄は、

自慢の骨接ぎ技術で腰骨を無理やり折ってみたり、

「ゲェー!!」

 

 

三味線の勇次に至っては、悪人を宙吊り!

 

    キュイイイィィィ・・・・・・・

  ↓

  ドーン!

 

と、もはや芸術的なまでにキマッてる始末!

 

プレイヤーも、きっとこの画面を見て

 

なんだよ勇次、このポーズは……

最高にキマッてるじゃねえか!

 

大好きだ!

 

と、思わず画面の前で両手バンザイするに違いありません。

てか、俺はカップ麺のびてるのを忘れてバンザイしてました。

この宙吊りシーン見るためだけに、彼をメンバーに入れてしまうことは全く罪ではありませんね。

ただし、メンバーに入れると攻略が厄介になるという茨の道の得点つき。

 

 

 

 

必殺的歪み世界

さて、1面の近江屋さんを気分よく宙吊りにすると、

2面では『女性ばかりが消える「神隠し」事件』が起こり、

それを追いかけるという話へとストーリーが進んでいきます。

 

でも、だからといって犯人が老中で、

それを正面から「殺り」に行くってのは話が飛びすぎていませんか?

 

道中では、唐突に忍者が分身したり、

死ぬ間際にマキビシ撒いてくれたりするし…。

 

まあ、今回のターゲットは老中なので、ちゃーんと老中が「先生」を雇ってるのはちょっとお茶目。

 

 

老中「先生!先生お願いします!」

 

「どぉーれ・・・・・・・」

 

ちなみに、この先生は勇次の武器を振り回してるだけで、勝手に当たって死んでしまいます。

嗚呼・・・先生・・・・・

 

さて、神隠しの犯人は老中ということで今回の話は終わるのですが、

さらわれたはずの女が見つからない。

そこらを探していると、庭になぜか洞窟があり、そこから女の悲鳴が・・・・・

急げ!仕事人!

 

っていう展開で3面。

怪しい洞窟にズカズカ乗り込んでいくなんて、

仕事人があまりにも考え無しで行動するのと、

なぜ老中の庭に洞窟があるのか・・・

と、ちょっとした疑問に漠とした不安が頭をよぎります。

 

3面のプレイヤーを選び、アクションパートへと切り替わると

その不安は見事に的中。

 

 

チョンマゲが洞窟に放り出されたと思ったら、

そこはコウモリと大蛇と忍者が巣食う、地下迷宮でした!!

 

  「大…蛇??」

いくら大蛇だからって、トグロ巻いてりゃいいってモンじゃありません。

 

 

そして、なぜか洞窟なのに、おにぎりが落ちてて美味しく食べられるし、

もっと地下まで進むと、地下なのに井戸があったり地下大迷宮があったりして、

ここは一体何処ですか?

 

と、なんか文法的にっていうか、言語的にめちくちゃ書いてますが、

正にこんな感じなので、これ以上俺は推敲も文書の練り直しもしないことを、

ここに誓いかいますったら誓います。

 

 

忍者や大蛇やコウモリやらで、

江戸時代っていうことをすっかり忘れちまう3面。

実は意外と敵の攻撃が厳しく、

コウモリと忍者と、どこがつながってんのか解からん大迷宮の複合攻撃で、

俺の主水はおにぎり足りなくって餓死しまくり。

 

そんな迷宮を気合と根性と偶然見つけた近道でくぐり抜け、

ボスの侍をサクッと必殺してストーリーを進めると、

実はこの迷宮が南町へと続いていて、

そこでは「人を殺して内臓を取り出す」という怪奇事件が!

という展開で、事件の犯人とにらんだ上総屋へと乗り込む我らが仕事人。

 

 

乗り込んだものは良いものの、4面の道中では、

これまた忍者カラスが数十羽で一気に攻撃してくる物量攻撃満載

アクションゲームなのにアンニュイな気分で俺の胸はいっぱいです。

 

「ジャンプ中カラスに叩き落とされる仕事人なんて、あまりに切なすぎ。」

 

とか言いたいことは山ほどありますが、一言だけ言わせてもらうと、

 

 

忍者よりカラスが厄介。

 

そんな厄介な道中を抜けると、やっとこさボス戦へ。

上総屋の「先生」として、

軽業師みたいな変な滑降したヤツや

まるで歌舞伎役者みたいな格好で二刀流な人間が画面に御目見えです。

 

「こんな奴ら”かんざし”で蜂の巣にしてやらぁ!」

 

と、今までの不満をここでブチ撒けてやろうと近づいていくと

 

 

軽業師がいきなり火を吹いた。

 

  ゴォー

 

 

「おいおい、いつからこのゲームは

 人外のものを敵として出すようになったんだよ!」

 

と、燃えつつもツッコミを入れていると、今度は傾き者が

 

 

 

  パワーウェーブ。

 

 

ゲー!西洋的!

 

 

って、なぜ何の説明もなく衝撃波が飛ばせるのだ!

世界観が違うだろ、世界観が!

 

あと、主水もそれを何気なく刀でガードするな!

 

こっちは一応、刀とか、かんざしとかで勝負してんのに、

火吹きとか、衝撃波とか一体なんだその技は!

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あ!仲間にも一人似たようなヤツが!・・・・・

 

   かめはめ波〜!!

 

 

と、このボスの登場で、もはやこのゲーム、

時代劇どころか「必殺」すらもこの放棄してしまったようです。

次は一体何を捨ててくれるのでしょうか、変な期待に胸が膨らむばかりです。

もう、ゲームとしての楽しみ方が全く変わってきている気がしないでもないですが、そこはそれ。

この面のボスの居た場所が空中浮遊してる和室って時点で、ツッコミは無し。

 

 

すべて在るがままに受け入れることこそ、東洋的な思想なのです!

アジアバンザイ!

 

 

さて、東洋思想的にすべてを受け入れると、

人さらいから、内臓摘出までの悪事を指揮していたのが、

実は南蛮城に住む南蛮人の仕業だということが、

何気なく唐突にわかったとしても、別段驚くに値しませんね。

 

 

って、やっぱそれは受け入れ難いな…。

 

 

 

5面:南蛮城

唐突に出現した南蛮城の話に、プレイヤーは置いてきぼり食らってるはずですが、

そこは仕事人、何の躊躇もなく乗り込んでいきます。

 

プレイヤーを二人選んでアクションパートに移行すると、場所は既に南蛮城。

バックには西欧の城壁と甲冑、

トランペットのBGMが”ぱーぱらっぱっぱぱぱぱー”鳴り響き、

もはやここにチョンマゲが居ること自体亜空間といったところです。

 

 

とりあえず、この動揺を隠すために甲冑の前で波動拳など撃ってみるも、

飛び道具は空しく画面外へ飛んでいくばかり。

  かめはめ波〜

 

ひとしきりかめはめ派を撃ち続けていると、

画面外から『ギャァ!』という悲鳴が!

なんと、そこにはが・・・・・というか南蛮人が!

そう、この面のほとんどの敵は南蛮人なのです!

 

 

しかし、南蛮人と言っても、どこかネジが足りません!

  銃とレイピアでチョンマゲをいたぶるの図。

 

てか、いったいここは何処だ!

こんなデカイ城、何処に作りやがった!

江戸からちょっと離れた所とか言ってたが、

鎖国はどうした江戸幕府!

 

 

と、銃でガンガン撃たれながら、プリプリ怒りつつ城へと進入。

すると城内には先ほどの南蛮人やら、やたらとガードの堅いお侍さんやら

階段に大蛇やらが御出迎えしてくれてもう最高!

おにぎりも美味しいし、言うことなしだね!(自我崩壊)

 

 

 

 

唐突!南蛮スナップコーナー。

 

 「あ!おいしそうなおにぎりだ!」

 「わたすか!このちょんまげめ!」


 

 やねのうえに だいじゃが!

 

 

 

 

 

さて、

 

広ーい南蛮城を”3段重ねになったおにぎり”をほうばりながら進むと、

やっとこさBOSSへと到達。

ボスはもちろん南蛮人。

赤いジャケットに剣なんか持って『KILL HIM!』

とか調子に乗ってるのでさっさと片付けてエンディングを迎えたいところ。

 

南蛮人なので英語です

 

しかしそこはさるもの、

この南蛮人、手から爆弾が湧き出してくるわ、

剣から謎のエネルギー波が飛んでくるわ、

天井から南蛮人が降ってくるわとやりたい放題!

 

剣からエネルギーとか、何も無い空間から湧き出る爆弾とかは良いのですが、(良いのか?)

最後のヤツ、天井から降ってくる南蛮人がかなり厄介!

この城の南蛮人の8割は天井から湧き出て来たと見て、まず間違いないでしょう。

てか、南蛮人湧き出すぎ!

 

 

この部屋にも何故か配置してある”おにぎり”を食っては攻撃をしかけ、

ついに南蛮人を倒す主水達。

 

  やっとくたばりやがったか。

 

と、何気なく酷いことを言っていると、

『ゴゴゴゴゴ!』

 

と、突如として城が悲鳴を上げ始める

 

「HAHAHAHA!この城はミーが死ぬとトモに爆発するしかけとなっテいるのサ!

 このショウブ、ミーの勝ちだネ!」

 

南蛮人が最後の台詞を苦しげに告げると共に、天井は落下!

 

「こっちだ!」

「急げ!」

 

狭い抜け道を抜け、振り向くと、南蛮城の崩壊が本格的に始まっていた。

音を立て崩れる南蛮城。

今回の一連の事件がこの城と共に消えていく・・・仕事人はただそれを眺めるばかりであった。

 

とか、最後は爆発オチとか欲しかったけど、城の崩壊はウソ。

実はボスを倒すと、そのまま何ごともなくエンディングへと突入します。

 

 

ちなみに、このゲームは生意気にもボスを倒したキャラのマルチエンディングとかになっていて、

少なくとも四回はクリアしなきゃいけません。

拷問ですか?

 

 

律儀にも俺は四回クリアしたけれど。

 


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