〜必殺!〜
必殺小話
必殺といえば、意外と長寿な時代劇として知られている、シリーズものの一本である。
もともとは「必殺仕掛人」がシリーズ第一作であり、実は裏番組の「木枯し紋次郎」対策として作られた。
それが人気が出、シリーズが続くうちに、あれよあれよという間に木枯し紋次郎を破るどころか、
その主人公である中村敦夫ですら、シリーズ「必殺うらごろし」の
レギュラーにしてしまうほど、内包力のある時代劇だったようだ。
懐の深さといえば、シリーズ第17弾の必殺仕事人V(’85)に「ゆでたまご」が出てたらしいが、
一体何の役で出てたんだ?
悪人にキンニクバスターでも決めて「必殺」してたのだろうか・・・・・??
さて、そんな無茶な逸話もある「必殺」だけど、内容のほうはシリーズ通してシンプルで、
「許せないやつ(悪人)を金で殺す、裏家業集団」の話。
それが「必殺」である。
なんとなくハードボイルド、どことなく影あのるキャラは格好良く、やはり人気が出た。
毎回毎回殺しのシーンのあるこのドラマでは、
もちろんその「殺し方」がシリーズ一番の肝で、
”チャララ〜〜”というおなじみの音楽に乗りながら、次々と悪人を殺していくそのさまは、
「悪人はやっぱ殺さないとな!
みね打ち!?甘いこと言ってんじゃねぇよ!」
という、ガツンとしたメッセージであったに違いない。(と思う・・・(^-^;
俺が見ていたシリーズではもう「仕事人」になっていたんだが、やはりそのシーンが面白く、
三味線の糸を首にかけ、「キューッ」と敵を引っ張りあげて、
強制首吊り状態にする三味線の勇次なんかは、かなり記憶に残っている。
(でも、内容やストーリーはぜんぜん覚えてないんだよな・・・)
で、シリーズが続いていけば、殺しのバリエーションが増えてくるのも宿命。
たぶん、俺が小学校くらいのことだろう、”チャララ〜〜”というおなじみのBGMに乗りながら、
仕事人がバズーカを持ち出し、相手を爆殺していた。
初めて
「ああ、これは笑ってもいい物なんだね。」
と、認識した幼い頃のスタンド・バイ・ミー夏の思い出。
で、俺にとっても、たぶん世間にとってもこの必殺シリーズは中村主水(もんど)の人気と共にあったようで、
俺が見てたシリーズ「必殺!仕事人」でも、やはりこの中村主水が好きだった。
中村主水役の藤田まことは、これをやる以前は大阪で「てなもんや三度笠」で、俳優というよりも芸人だったとか・・・
って、てなもんやとか言われても全然わからんけど・・・。
で、中村主水、
藤田まことのくせにカッコイイのな。
そういや、はぐれ刑事も藤田まことなので見てたなぁ・・・・
養命酒のCMも、もちろん藤田まことだ。
てことは、俺は藤田まことのただのファンなのか、そうか、そうなのか・・・・今気づいたぞ。
って、ホントかよ俺!?
とはいえ、これが発売された当時の「ゲーム世代」にとって、このゲームは受け入れられたのだろうか?
ぶっちゃけて言えば、知らなかったんじゃない?必殺。
必殺の最終シリーズが終わったのって、かれこれ今から10年前の1992年。
で、これが発売された当時にしても、96年発売なのだから、約4年前の作品のゲーム化だ。
アニメや特撮では考えられない話である。
(まあ、映画・「主水死す」のキャンペーンでもあるんだけど・・・サターンだしなあ・・・)
購買層である当時の高校生で、これをレジに持っていったものは、
たぶん中学入学あたりに中村主水に萌えていたヤツくらいか・・・・??
って、そんなやつはあまり居ないよな・・・やっぱり。
で、実は今回の文章を書くために色々調べてみると、やはり初期の頃が面白いという感想が多い。
ビデオ屋で「必殺」の最終回特集が置いてあったんで、
何気なく「必殺うらごろし」を見てみた。
内容は、悪人が超能力で女の記憶を操作したかと思えば、
市原悦子が悪人を包丁で切りつけ、
中村敦夫が太陽を背に走り回って太陽パワーを吸収し、
悪人を旗の枝で刺しまくっては走り、刺しては走って敵を殲滅していた・・・
敦夫つえぇ・・・・・
って、なんだかわかんないけど、そんな感じのビデオだったよ。
でも、特に俺が見たいのは第2弾、必殺仕置人である。(それも「最終回だけ」とかじゃなくって)
中村主水の初登場のヤツなんだが、それが凄いらしい・・・・
「罪を憎んで人も憎む」って題の回があるくらいで、その内容はそこから推して知るべしってとこだろうか。
過激な内容のために世間の風当たりも強く、批判も続出したそうだ。
そういったことについては「必殺シリーズを創った男 (山内久司/著 山田誠二/構成)」って本が出てるんで、それが詳しい。
シリーズを続けるために、題名から「必殺」を削ったり、内容をうまくマイルドにしたりとの試行錯誤が、
インタビューで語られてるんで、気になる人は読んでみてはいかがでしょうか。
で、そんな熱に当てられて、
「時代のパワーが溢れてそうなこの作品、ぜひ見てみたい!」
と猛ってる昨今である。
「なんかないのかなあ?」
と思って検索かけてみると、一応公式のページではあるっぽい。
コリャあ、ビデオ屋探さなあかんね!
見たらぜひ特集したいし。
あ、主水死すってよく考えたら見てないや・・・今度見なきゃ。