コスモスストライカーのすべて―試験対策はこれでバッチリ!―

原作:田中誠一
漫画:戸館新吾

1988年(全2巻)
ジャンプスーパーコミックス

ストーリー紹介(下)


■試合当日

試合を快く受けた主人公たちは、サードエンパイアが用意したドームに颯爽と登場。

気がつけば急に組まれた試合にもかかわらず、会場は満員御礼。

でも、チケット販売や人員整理など、細々とした部分はいったい誰がやってんの?

も・・・もしや、サードエンパイアが!?

侮れね(以下略)

 

適当に驚いてると、サードエンパイアも登場し、

早速試合開始。

 

と、そのとき、会場のライトがすべてサッカーボールで破壊され、

あたりは真っ暗に。

ドームの天井から漏れる一筋の光のみが、フィールドを照らす。

 

そこに一人の男が・・・・・!!

 

そう、この男こそ、マリオ・ロッシ。

サードエンパイアからの更なる刺客。

先ほどフィールドを血の海に沈めた『ウォール3兄弟』を、

2軍のクズ扱いするほどの実力者。

でも登場するだけでライト全滅さすな。

こんな登場をするやつなので、もちろん口癖は『フッ・・・』。

決して関東を制圧してた頃のシンではない。

 

そしてこの男は、『しばらく見学させてもらおう』

と言って、ストライカーの癖に

自陣のゴールバーの上で、のんびり観戦を決め込む。

サードエンパイアはこんなヤツしか居ないらしい・・・・・・。

 

 

 

■第3試合

試合開始早々、

ウォール兄弟はブラッディーサンダークラッシュを惜しげもなく披露。

 

ガガガガーン!!

 

単なるタッチライン上の壁パスで、

ことごとく吹き飛ばされる主人公チームの面々。

 

そしてこの技に巻き込まれないよう、

フィールドの外に避難する敵チーム。

 

頼むからサッカーやってくれ。

 

しかし、そんな突っ込みは我関せずということか、

壁パスのみで次々と敵を吹っ飛ばしていくウォール兄弟。

彼らの前にはキーパーとディフェンダー1人を残すのみ。

 

ウォール兄弟は叫ぶ

『ヒャハハハハ!キーパーの他に一人残しておいたのは、

 オフサイドにならぬための作戦よぉ!』

 

 

サッカーか!?

ここら辺がサッカーなのか!?

 

 

自分の作戦にご満悦な兄弟は、そのままシュート体勢に。

『次の一撃で締めくくりだ!』

スワームバンプ!!

 

ギュバァァァ!!

 

このシュートは二人が同時にボールを蹴るという大技!

あれ!?高橋某のサッカー漫画でも似たようなのがあった気がするよ!

とか思ったけど、この二人がやると、

友達のはずのボールが殺人犯になりかねないから違うものだね!

 

 

パスでさえ人を吹き飛ばす威力が出せるこの二人が、

本気でボール蹴ったら一体どうなるのか!

既にボールの形をしてないぜ!

 

ギュバババババババ!

 

どう凌ぐ!?キーパー麿崎!

 

 

  ピタ・・・・

 

ゲェーーー!指一本!

 

お前の指関節は一体どうなってるんだ。

 

『スワームバンプは縦回転をボールに与え、敵を抹殺する技・・・

 強力に回転するコマがいずれ止まってしまうように、

 ボールの回転の中心を・・・

 

指一本で止めた説明になってねえ・・・・・・

 

しかし、恐るべきはリアルマニズムの真の力!

鳴り物入りで登場した3兄弟が既に雑魚扱いされてしまったことで、

この試合はこのままインフレ加速率無限大の波に飲まれて行ってしまうのか!?

インフレ万歳!

 

 

 

■BMSの恐怖!

攻守交代とばかりに敵陣に攻め込む逸刀志狼。

『えーい!何をしておる!殺せ、殺すのだー!!』

特撮の怪人みたいな台詞を叫ぶウォール兄。

 

3兄弟なので、二人はスイーパー、一人はキーパー。

そう、彼等の元々のポジションはディフェンス。

つまり、ここから彼等の真の力が発揮されるのだ。

 

攻め込む逸刀に、ディフェンス必殺技(直角ディフェンスではない)が炸裂する!

 

バミューダマグネストーム!

 

『目の錯覚か、スイーパーの2人の間が歪んで見える・・・・』

 

目の錯覚ではない。

キーパーとスイーパーの作る三角形の空間に、何か凄い力が働いているのだ!

バミューダマグネストームはその名の通り、バミューダトライアングルのごとく相手を引き寄せる技。

逸刀が気付いた時には、もうその攻撃範囲に入っていたのだ。

 

吸い込まれそうになる主人公!

だがその時、

 

『させるかー!』

 

ひ・・・火吹さん!

 

見を呈して実験台身代わりになる火吹!

 

ズガガガガーン!!

 

大爆発と共に吹き荒れる砂煙。

そしてその中からユラユラと見えてきたのは・・・・・・・

 

ひ・・・・・火吹さん!

 

ぷしゅー。

 

がっくり倒れる火吹。

 

『火吹きさん!』

逸刀が駆け寄ると同時に、審判の笛が鳴る。

重症の彼をきっと担架で運ぶためでしょう。

 

 

ピピィーーー。

 

”あっと、ただいまの火吹きさんのプレーは

 オフサイドを取られていたようです。”

 

 

 

ゲー、この期に及んでオフサイド!!?

 

 

報われねえ・・・報われねえよ火吹先輩!

ってか、人ひとり吹っ飛んでんのに、冷静過ぎだぜ審判ども!

 

 

 

 

■ストライカーの真価

火吹をふっとばした上にオフサイドまでもらったウォール兄弟。

再び壁パスを披露するのかと思えば、

なんと主人公の目の前にボールを転がします。

 

もちろんこれは

『撃って来てみな、全部止めてやるぜ』の合図。

 

しかしこれは、火吹をやられて怒り心頭の逸刀にとっては火に油を注ぐようなもの。

 

『受け取れー!ウォール兄弟!』

マーキュリードライブフォング!

逸刀渾身の至近距離からのMDF!

 

しかし、

 

 ピタッ!

 

魔の三角形で止まっちまいます。

 

 

ならばとばかりに

 

 

ハイパーイカロスウイング!

自ら上空に飛びあがってのHIW!

 

 

しかし、

 

 

 ピタッ!

 

まさに鉄壁!ウォール三兄弟!

 

 

この後、逸刀はありとあらゆる角度からシュートを繰り出しますが、

ウォール兄弟はことごとくそれをブロック⇒逸刀にパス。

 

 

ここでアナウンサーの中継が入る。

”さあ〜、延々と続く逸刀君のシュート挑戦も30分を過ぎ、

 疲労と焦りがうかがえます。”

 

30分!?前半終わっちまうぞ!

アナウンサーもこんな展開でよく間をもたせたな・・・。

 

 

 

『お・・・俺のシュートが効かねえ・・・・これが俺の力なのか!?』

 

30分もやってまだ気付かんのか!このバカ弟子がッ!!

とか、かのマスターばりに怒ってやりたいと思うのは俺だけではあるまい。

てか、30分もやってるんなら、サイドに振るとかパスを出すとかしろよ!!

仲間はいったい何やってるんだ!?

 

そうか…・ロッシの目的は、逸刀の自信を崩壊させることだったのだ!

 

納得してないでパスでも貰いに行け!

 

 

 

 

一方、逸刀の自信をズタズタにしたウォール3兄弟は余裕の表情・・・・

 

 

 

 

じゃねえ!!

 

老いてるよ!メチャクチャ老いてるよ!

確実に40年くらい歳取ってるぞ! (使用前⇒ )

ああ、長男が老衰でポックリ逝きそうだ!

 

どうやら必殺技を使いすぎてこんなんなっちゃったらしい。

そんな技を30分も続けんな!

 

兄貴が老いちまったので

『アニキがポックリ逝きそうなのに、サッカーなんてやってらんねーよ!』

とばかりに3兄弟は涙ながらに離脱。

 

 

 

そうすると、キーパーごとディフェンダーがゴッソリ抜けちまうサードエンパイア陣。

じゃあ一体、主人公達のあのどうしようもない必殺シュートを誰が止めるんだ!

とか読者は思うわけですが、そこは『コスモスストライカー』

最終兵器を用意してました!

『人間を超えたヤツのディフェンスをたっぷり味わうがいい!』

 

既に3兄弟の段階で人間は越えてるんですけど、

そんなツッコミ自体、彼らにとっては野暮なよう。

 

 

そして鳴り物入りで登場した彼の名は、ブラックホール・バーンズ!

 

 ドーン!

 

南斗聖拳!?

 

 

 

 

 

■インフレを越えた先にあるもの

 

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インフレってやつぁ、長く続けるとこれ以上できぬという限界が必ず来る。

編集がこれ以上インフレを続けることは危険であると、サインを出すのだ。

通常、漫画家はここで休載(インターバル)を取るわけだが・・・・・・・

しかし漫画というやつは、更にその先がある。

編集が休載のサインを送り続ける、これを無視して更に連載を続ける。

すると編集ってやつは面白いことを始める。

連載を打ち切っちまうんだ。

打ち切りなんてモンじゃねえ・・・

気持ちいい位にスッパリ袈裟切りにされるんだ。

 

                      ― 板垣恵介(グラップラー・刃牙 作者)談

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と、ウソ談話を書きたくなっちまうくらいスッパリ逝っちまうのが最終回。

折角新しいキャラが出てきたにも関わらず、

気持ち良いくらいにうち切られてこの漫画は終了。

ま、最後の打ち上げ花火といきますか。(なげやり)

 

 

 

クラッシャー・ウォール兄弟を老衰させ、登場したブラックホール・バーンズ。

略称「B・B」。

必殺技が10センチの爆弾とかいうことはない。(わかる人だけでいいや)

彼の必殺技は、名前からわかる通りの『アトラクト・ブラックホール』。

シュートを右手に吸い付けて

『フフフ・・・俺は重力という宇宙の奇跡を右手につかさどった男・・・。』

とか、もはや無茶苦茶な事を言ってのけても別段俺は驚きません。

俺のキャパもずいぶん上がったもんです。

そういえば,ファミコン版のキャプテン翼でも

右手が宇宙になってるキーパーが居たので,ゼンゼンOKですね。

 

 

さて、最終回なので、

今まで溜めてきた設定などをバリバリと口で説明して行くこの回。

そこらへんはこの方が語ってて、謎に包まれていた部分が半分くらいわかるんだけど、

めんどくさいので割愛。

 

そしてその説明が、いつの間にか『神のシュート』の話へとシフトしていきます。

神に選ばれたただ一人の戦士だけが撃てるというシュート。

一体どんなシュートなのか、

 

『俺こそこの世でたった一人の選ばれた神の戦士!

 見るがいい、神のシュート!』

 

『セイクレッド・グラビュ・ラフォーム!』

 

バシュゥー!!

 

ああ!!ドームが!ドームがっぁぁぁ!!

 

『フフ…SGRとは、高速のボールが空間にヒズミを起こさせ

 三次元空間においてその存在を無に化すシュート・・・

 その時ボールの発するエネルギーは無限大。

 受け止めたものは跡形もなく消えるのみ・・・・・・・

 

もうもうと立ち込める爆風を背に、一人技の説名をしてくれるのはありがたいのですが、

もはや何を言ってるのかサッパリわかりません。

それよりも、この爆風で観客のみなさんは大丈夫なのでしょうか。

たぶん、100人単位で犠牲者が出ているものと思われます。

 

 

さて、もの凄いシュートを撃ったのはいいんですが、そこは悪役。

悲しいかな、見事正キーパーががっちりキャッチ。

 

『本当の神のシュートを見せてやれ!』

とばかりに今度は主人公・逸刀志狼にボールをパス、

受け取った逸刀は何かに目覚め、

ボールを持っただけで背景が宇宙になります。

 

『魂がひとつになった時こそ、最大の頂点を極めることが出来るんだ!』

 

 

 

「いくぞ、これが天空の神々からたまわった可能性だー!」

ガカァーーーー!!

な・・・なんだこの光は〜〜〜〜ッ!!

お・・・俺の暗黒宇宙が消されていく・・・・

 

 

ついに神のシュートに目覚めた逸刀志狼!

リアルマニズムは、これで本格始動したといっても過言ではない、

 

そして・・・・・・

 

 

 

 

打ち切りッ!

 

 

あ〜あ・・・・・・

 

 

 

 

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